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「原君、部がダメになるぞ」ムキになった原晋監督が今も後悔する“最悪のスカウト”…青学大の信念『心根のいいヤツをとる』はいかに生まれたか?
text by
原晋Susumu Hara
photograph byNanae Suzuki
posted2023/01/02 06:03
昨年の箱根駅伝、選手と肩を組んで最終ランナーのゴールを待つ原晋監督
原監督の信念「チーム力を押し上げるのは“心根の良い人間”」
また、仮にエースが抜けたとしても、「心根のいいヤツ」が揃う組織は、考え方次第で強化できるのです。成績がいいだけで心根が悪い営業マンがいなくても、残りの心根がいい営業マンが少しずつ成績を上げれば、その分をカバーできるからです。
駅伝でも心根の悪いスーパーエースがいなくても、心根が良く真面目に練習に取り組む選手が少しずつタイムを縮めれば、合計タイムを短縮できます。例えばエースが抜けて10秒遅くなったとしても、10区あるなら、それぞれの区で1秒ずつタイムを縮めていけば、10秒のロスはカバーできます。それは決して不可能な数字ではありません。私は3年目以降、その考えを基本にしてチームを強化してきました。
組織力やチーム力を押し上げていくのは、「コツコツと努力できる心根の良い人間」だと私は強く信じています。
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