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「私のような凡人監督は、虚勢を張らずに…」青学大・原晋監督がいま明かす“就任当初の反省”「食事中のAKB48やアニメの話題にも怒っていた」

posted2023/01/02 06:04

 
「私のような凡人監督は、虚勢を張らずに…」青学大・原晋監督がいま明かす“就任当初の反省”「食事中のAKB48やアニメの話題にも怒っていた」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2015年の箱根駅伝で初優勝を飾り、選手たちから胴上げされる原晋監督

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原晋

原晋Susumu Hara

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ついに箱根駅伝が開幕する。ここ8大会で6度の優勝を誇り、圧倒的な選手層をもつ青山学院大学は連覇がかかる。「ぐんとハイレベルな戦いとなる。勝つにはブレーキがないこと。今の実力を100%出せば勝てる」と語った原晋監督。どのようなレース展開になるのか、楽しみだ。

昨年の箱根駅伝で青学は大会新記録で優勝し、2位に10分51秒の差をつけた。なぜ青学は常に勝ち続けることのできる強いチームに成長したのか――。その秘密を解き明かす、原晋監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「目線は自在に上下できないといけない」の章を抜粋して紹介する《全3回の2回目/#3につづく》。

余裕のない指導者は虚勢を張りたがる

 指導者として意識しているのが、「目線の位置」です。学生のレベルに合わせて目線を下げられるかどうかが、その子の能力を引き出せるかどうかの鍵になります。

 スポーツの世界でよくいわれるのが、「名選手、名監督にあらず」。これは、現役時代に活躍した選手が必ずしも優れた指導者になるとは限らないことを表す言葉です。

 どうしてそういうことが起こるのかというと、監督が選手時代、天才だったことが逆に選手との間に壁をつくるためと考えられます。天才は、10のうち4ぐらいまではなにも考えずにできてしまいます。しかし、凡人は、その4まで到達するのが難しい。つまり、天才だった人には、1から4までを導くことができないのです。天才からすると「なんでできないのかがわからない」ということです。

 しかし、チームにいるのは、私のような凡人がほとんどです。だからこそ、天才だった監督は目線を下げられるかどうかが重要ですし、私のような凡人監督は、虚勢を張らずに1から教えられているかどうか、を常に頭に入れておく必要があります。

反省した、当時の虚勢「AKBやアニメの話題に怒っていた」

 ところが、監督就任当初の私は、虚勢を張っているところがありました。

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