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「高卒1年目でよくやってる」と言われるけど…19歳松川虎生が明かした“周囲の声”とのギャップ「悔しい1年だったとしか言えません」 

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千葉ロッテマリーンズ取材班

千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/12/22 17:02

「高卒1年目でよくやってる」と言われるけど…19歳松川虎生が明かした“周囲の声”とのギャップ「悔しい1年だったとしか言えません」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ルーキーイヤーながら76試合に出場した松川虎生。悔しい思いもたくさん味わった1年だった

 ただ、課題も多い。

 前述の8月の試合もブロッキングミスと本人が猛省していたが、前述の8月の試合もそうだが、今季出場した76試合でパスボールは6つも記録した。球界を代表する捕手である福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也捕手は130試合で3つ。全体的なレベルアップはもちろん必要だが、安定した結果を残すためには課題のブロッキングの克服は必須。そのために技術練習だけではなく、このオフは柔軟性や体幹を鍛えるトレーニングや、どんな状況でもパフォーマンスを発揮できるようアンバランスな状況下でのトレーニングなど精力的に動いている。

「今年の反省をしっかりと来年に生かしたい。特にブロッキングはしっかりと鍛えていかないとダメ。意識してやっている。ピッチャーの信頼を得られるように。安心して投げてもらえるように練習をしていきたい」

 また、高校を卒業してすぐに臨んだシーズンとあって、6月の交流戦あたりでガクッと疲れを感じるようになった。初めて体感する日本中を飛び回る移動に苦戦。新幹線はまだ寝れる時間も長いため良かったが、飛行機移動は疲れが溜まった。ボールを受ける左手が腫れ上がったこともあった。

 メンタル面では8月、9月頃に壁にぶつかった。うまくリードが出来ない。守りもミスが目立つようになった。なにをどうしたらいいのか。悩み抜いて、時には開き直ることも大事であることに気が付いた。マスクを被りながら打者を観察することも少しずつ身についてきた。表情を見ていると長距離打者ほど狙い球と違うボールが来た時に表情に出ることを察した。悔しさから学び、反省をして次に生かす日々。この想いは2年目の2023年にぶつける。

「今年1年、一軍にずっといさせてもらえたことに感謝している。動きや流れを感じた。悔しさも沢山、感じた。来年はもっともっとキャッチャーとして責任感をもって守る方でも打つ方でもチームの勝ちに貢献できる選手になりたい。競争に勝つためにはこのオフの期間が大事になる。追い込みながらやっていく。(キャンプインの)2月1日からしっかりとアピールできるように日々を大事にして、そして悔しい想いを大切にしていきたい」

“一流の捕手”を目指して、2年目の決意

 若者の口からは「悔しい」というワードしか出てこない。ただ、完全試合の一躍を担ったことも間違いない事実である。ファン投票でオールスターにも選出された。多くの光を放ち存在感を示し、多くのプロ野球ファンに新たな希望をもたらした。

 それでも満足は一切せず、いまだ悔しさと格闘している毎日なのだ。

 貪欲さと謙虚さと苦い経験が松川を“一流の捕手”へといざなう。多くのドラマを生んだ若者が、新しいシーズンではどんな姿を見せてくれるのか。今から楽しみにしていてほしい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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