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「森友哉のすごさは一番わかっている」オリックス若月健矢(27歳)が語る“10年越しの正捕手争い”〈FA移籍の寅威さんからエールも〉
posted2022/12/13 17:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Nanae Suzuki
26年ぶりの日本一に輝いた2022年のオリックス。日本シリーズでは、「村神様」こと村上宗隆を打率1割台に抑えるなど、ヤクルトの強力打線を、苦しみながらも封じたオリックスバッテリーの働きが光った。
だが、日本一を勝ち取った捕手にも、心穏やかな時間は与えられなかった。
オリックスは、今年FA権を取得した西武の捕手・森友哉の獲得に意欲的だと早くから報じられていた。そして11月16日、森との契約締結が発表された。4年総額18億円以上と推定される大型契約だ。
オリックスの捕手・若月健矢はこう語る。
「CSぐらいから報道が出てたじゃないですか。あのあたりからもう、落ち着きはなかったですよね、正直。森に何億を提示とかって出てたわけだから(苦笑)。(伏見)寅威さんとも、『森、来んのかなー』みたいな、そんな話はちょこちょこしてましたね」
寅威さんと“共闘”した日本シリーズ
その伏見も、このオフFA権を行使し、日本ハムへの移籍を決めた。若月は心なしか寂しそうにこう話す。
「寅威さんとは、ライバルではあったんですけど、めちゃくちゃいろいろ相談しながらやっていました。『今このピッチャーこういう状況だから』とか『相手バッターどうやった?』とか、情報を共有して、一緒になってやっていたような気がします。特に中継ぎピッチャーに関しては、どっちが被るかわからないんで、こういう状況になったらこの球行って、とか本当にいろいろと話をしました」
今年は、伏見が66試合、若月が52試合、頓宮裕真が22試合、ルーキーの福永奨が3試合でスタメンマスクを被った。終盤戦はほぼ伏見と若月の2人に固定。日本シリーズも、第1、4、5戦が若月、第2、3、6戦は伏見、第7戦は伏見が先発し、9回を若月が締めくくった。