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日本戦前日の“袋叩き会見”でイラ立ち、火が付いたコスタリカと対照的…敗因はやはり森保ジャパンの「緩み」では…現地で記者が見た話 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2022/11/29 17:05

日本戦前日の“袋叩き会見”でイラ立ち、火が付いたコスタリカと対照的…敗因はやはり森保ジャパンの「緩み」では…現地で記者が見た話<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

グループステージ第2戦でコスタリカに0-1敗戦となった日本代表

遠藤航が会見で見せた“誇り”と冷静な記者対応

 前日練習が終了してから約4時間半後。公式会見は午後5時30分からメディアセンターで行われた。森保監督とともに会見に出席したのはMF遠藤航。森保ジャパンでは副キャプテンの立場にある。

 ドイツ戦の約2週間前にブンデスリーガの試合で頭部を激しく打って脳震盪を起こし、救急車で病院へ直行。「正直、最初に入院したときはもう無理かなと思った」というほどの状況から復帰した日本のキーマンは、ドイツ戦で90分間プレーし、完全復活していた。

 会見に先立って行なわれた「グリーンカーペット」での記念撮影では誇らしげな表情を見せた遠藤。会見では表情をあまり変えることなく終始冷静に質問に答える姿が印象的だった。

 遠藤にとってコスタリカはいろいろな意味合いを持つ相手だ。フィールド選手でただ1人、出番のなかった2018年ロシアW杯を終えた後の同年7月、浦和レッズからベルギーリーグのシントトロイデンへ移籍。森保ジャパンの初陣となった9月11日に吹田スタジアムで行なわれたコスタリカとの親善試合ではボランチとして先発し、南野拓実のA代表初ゴールをアシストした。

 それまで遠藤はA代表では右サイドバックでの出場が多かったが、念願のボランチの位置で生き生きとプレーしていた。

「僕は所属チームで1カ月続けて中盤でやっているのは今が初めてなんです。中盤でやれるという自信が出てメンタル的に大きくなっている」と、目を輝かせながら語っていた。2018年のコスタリカ戦は、今やブンデスのデュエル王として知られる「ボランチ遠藤航」の原点でもあるのだ。

 その日から4年あまり。W杯デビューを果たし、今度は公式会見に出席するという栄誉ある役割を任されたが、会見では気負いや力みがまったくなかった。

不穏な“袋叩き会見”が、コスタリカを奮起させた

 一方、コスタリカの会見は日本の会見が終わってから15分後に、同じ部屋で行なわれた。本来は堅守速攻のチームでありながらスペインとの初戦で0-7の歴史的大敗。日本戦は勝つしかないという状況での一戦である。

 会見は、何やら不穏な空気の中でスタートした。0-7という初戦のスコアを考えれば無理もないと思って見ていると、司会者が質疑応答開始を告げると同時に十数人が勢いよく手を挙げた。どの記者も難しい顔をしている。すると……。

【次ページ】 記者の相次ぐ厳しい質問にイラ立ちながらも…

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