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ブラジルで“日本のW杯第2戦”が超酷評「ヒドい内容は放送してる僕らの責任じゃない」「日曜朝から眠くなる」忖度ゼロな背景 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2022/11/30 06:00

ブラジルで“日本のW杯第2戦”が超酷評「ヒドい内容は放送してる僕らの責任じゃない」「日曜朝から眠くなる」忖度ゼロな背景<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

日本中がフラストレーションをためたコスタリカ戦。ただブラジルでは「両国の見せた内容」が酷評されている

 後半、日本の森保一監督は左SB長友佑都の代わりにCB伊藤洋輝を、CF上田綺世の代わりにCF浅野拓磨を投入する。レナータは、「ドイツ戦で活躍したジュンヤ・イトウが入りました!」と声を張り上げた。解説者の2人も、この間違いに気付かない。

 後半の立ち上がり、日本がようやくコスタリカの守備ブロックの内側へ入り込み、MF守田英正、浅野らが惜しいシュートを放つ。フォルミーガは「これなら、後半はもう少しましな試合が期待できそうですね」と嬉しそうな声を出した。

10分経ってようやく「イトウ」違いに気づいた

 後半10分、レナータがようやく「イトウ違い」に気付く。

「後半開始時に入ったイトウは、DFのヒロキの方。アタッカーのジュンヤではありませんでした」とシレッとした口調で訂正する。

 これを聞いたリシャルリソンが「君は、スタッフから指摘を受けて自分の間違いに気付いたんだね。素晴らしいチームワークだ」。自分も見逃した間違いを謝るどころか、10分もかかってスタッフが間違いに気付き、レナータが訂正を入れたことを誇るような口調だった。

 その後、日本は三笘薫、伊東純也を入れたが、ゴールが遠い。そして後半36分、コスタリカが右サイドに侵入したのをきっかけに、日本の守備陣のミスに乗じて先制した。

 その直後、森保監督が南野拓実を投入すると、リシャルリソンは「これでやっとフットボールが見られそうだね」。フォルミーガも、「そうなればいいですけどね」と応じた。

 終盤、日本は三笘のドリブル突破などから決定機を作ったが、コスタリカの35歳のGKケイロル・ナバスらの必死の守備に阻まれた。テレビ画面は、ピッチを叩いて悔しがる浅野、頭を抱えるスタンドの日本人ファン、歓喜に沸くコスタリカ人ファンを交互に映し出した。

こんな常識ではありえないことが起きるから…

「何ということでしょう。超大国ドイツを倒すという大番狂わせを起こして話題をさらった日本が、スペインに0-7という記録的惨敗を喫したコスタリカの前に敗色濃厚となっています」(レナータ)

「フットボールでは、しばしば説明できないことが起きる。この試合に関しては、コスタリカが自分たちのプランを忠実に実行した。人数をかけて懸命に守り、少ないチャンスをゴールに結びつけたんだ」(リシャルリソン)

「こんな常識ではありえないことが起きるから、私はフットボールを愛しているんです」(レナータ)

 画面は、泣き顔の日本人女性、試合終了直前にピンチを迎えて懸命に祈るコスタリカ人女性を映す。

 そして、タイムアップの笛が鳴った。

【次ページ】 「ぬるい試合。日本は、やるべきことを…」

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