- #1
- #2
Jをめぐる冒険BACK NUMBER
父が日本代表監督ってどんな気持ち?「試合に関してはみなさんと同じ感覚ですよ」YouTuberけーごが語った“ブレない”親子関係とは
posted2022/11/22 11:05
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
LuaaZ
ロシアW杯の興奮も冷めやらぬ2018年7月下旬、森保家の家族LINEに父のメッセージが投稿された。
〈迷惑をかけるかもしれない、影響出るかもしれないけど、チャレンジします〉
息子の森保圭悟はその決意表明を、フィリピンで受け取った。
「頑張ってください、って返したと思います。オファーが来るのもすごいけど、よく引き受けられるなと思いましたね。日本代表監督なんて批判に晒されるし、プレッシャーもあるだろうし、大変な仕事。本当にサッカーが好きな人にしか務まらないだろうなって。でも、親父は本当にサッカーが好きで。たまに実家に帰ったりすると、親父はずっとサッカーを見てるんで」
そっけない返事に見えるかもしれないが、息子と父親のやりとりなんて、そんなものかもしれない。
そして、圭悟は父・森保一の日本代表監督就任を気にしている余裕もなかった。自身が窮地に追いやられていたからだ。
現実を突きつけられたオーストラリア生活
16年1月にオーストラリアに渡った圭悟は、3チーム目の練習参加となったエッジワースFCで海外でのキャリアをスタートさせた。
シドニーに拠点を置くこのチームはセミプロリーグに属していたが、給料は出たし、チームメイトには元Aリーグ得点王のダニエル・マクブリンもいた。レベルは決して低くなく、活躍すればAリーグへのステップアップを狙えるチームだった。
ここで圭悟は、サッカー人生の中でも充実した時期を迎える。チームの攻撃の中心となり、1年目は17ゴールとキャリアハイを記録。2年目も9ゴールを奪うのだ。
しかし、ステップアップはならなかった。
「セミプロだと労働ビザは下りないから、ワーホリで行ったんですけど、ワーホリって2年までしかいられないんです。楠神順平さんが所属していた(Aリーグの)ウェスタン・シドニーと試合をしても全然やれたんですけど、外国人枠で入るわけだから、同じ日本人ならアマチュアより、Jリーガーのほうが優先される。現実的に、ここで下から上がるのは相当難しいなと」