- #1
- #2
Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「YouTuberになる」父・森保一はドイツから帰国した息子に何と返した? LISEMけーごが語る森保家の“やるなら楽しめ”主義
posted2022/11/22 11:04
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Miki Fukano
サッカー監督とYouTuber――。親子としては意外な組み合わせかもしれない。
しかも父親が、真面目な印象の強い日本代表監督なのだから、なおさらだろう。
森保一監督の次男である森保圭悟(けーご)は、3人組のサッカー系YouTuber「LISEM(リゼム)」のメンバーだ。11月11日の時点で登録者数は24万人超。元プロサッカー選手の那須大亮がYouTuberやインフルエンサーの面々を率いるサッカーチーム「WINNER'S」の一員でもある。
「最近は、『けーごのお父さん』と言われることが増えてきて」
森保監督は照れながら、ちょっぴり嬉しそうな笑みを浮かべた。息子の仕事が軌道に乗ってきたことを意味するわけだから、父親としては自然な反応だろう。
一方、息子は息子で、有名人の親を持つ子どもがよく言うセリフを口にする。
「最近はこうして取材も増えてきましたけど、僕自身は父のことを自分のYouTubeで話したことはないんですよ。そこはやっぱり親の力を利用したくないなって」
父の質問「それをやって将来、どうなるの?」
ドイツ5部のコブレンツでプレーしていた圭悟は、26歳になった2019年いっぱいでスパイクを脱ぐ決断を下した。サッカー選手の次にやることは、もう決めていた。
帰国して、両親に現役引退の報告をすると、父から質問攻めにされた。
「『このあと、何をするんだ?』と言われて。『YouTubeをやろうと思っているんです』と答えたら、『何だ、それ?』みたいな。親父は真面目だから『それをやって将来、どうなるの?』とか聞かれて」
今はYouTubeで動画を配信してお金を稼げる時代であること、登録者数が増えれば、ほかのビジネスにも展開できるかもしれない、インフルエンサーとして力を持ったら、また違う形でサッカー界に貢献できるんじゃないか……と、できる限りの説明をした。
「たぶん、親父はちゃんと理解できてなかったと思うんですけど、最終的には『自分がやりたいと思ってるなら、やれよ』と。『それで生活していけるなら、いいんじゃないか』って。いつもそうなんです。『大丈夫か?』って心配しつつ、最終的には背中を押してくれるというか。母はもう、いつも陰で見ていてくれる感じなので」
こうしてサッカー選手からYouTuberへと、圭悟は華麗な転身を遂げたわけだが、それにしてもなぜ、YouTuberなのか――。
「それ、話し始めると、長くなるんですけどね(笑)」