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“ドラミちゃん”相馬勇紀が早大で「グランパス加入リリースを添削」された日…元Jリーガー+テレビマン恩師の“進化した自己表現”ウラ話 

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photograph byAdam Pretty - FIFA/Getty Images

posted2022/11/21 11:04

“ドラミちゃん”相馬勇紀が早大で「グランパス加入リリースを添削」された日…元Jリーガー+テレビマン恩師の“進化した自己表現”ウラ話<Number Web> photograph by Adam Pretty - FIFA/Getty Images

カタールW杯に臨む相馬勇紀。“ドラミちゃん”の愛称で親しまれるキャラクターだ

〈試合に勝って泣いたのは初めてですね〉
〈来年昇格した後、自分たちの代が引っ張っていかないといけないわけで、下級生のみんなに「本気で仕掛け続けてPKを取って、それを自分で決めて勝つ」という姿勢というか、そういう思いを見せたくて蹴りました〉

 大一番で自分のストロングポイントで勝利に導き、思いのまま感情を表現する。栗村ら取材チームにとっても、相馬らしさと成長を感じ取った一戦だったのだろう。

よく泣いているイメージが(笑)。本当にピュアなんです

「そういえば……私が就任してからも、よく泣いているイメージでした(笑)。本当に彼はピュアなんですよ」

 1部復帰を果たして迎えた2018年、相馬は新たな指導者に出会い、また1つ脱皮する機会を得る。

 元Jリーガーである外池大亮監督である。

 実は外池は、三菱養和SC時代の相馬を目にしていた。スカパー!で育成年代の番組に携わっており「彼が所属していた三菱養和さんがクラブユース選手権で優勝した時でしたね。小柄ながら強気なサイドアタッカーだなという印象を、当時から持っていました」と懐かしげに回想した。

 そんな外池だが、監督と選手という関係性で出会った時の第一印象についてこう振り返る。

「サッカー的な駆け引きは当時からできている点はありました。ただ、コミュニケーション能力は、まだ拙い部分があるなと。当時の4年生の中で優等生ではなく、どちらかと言えばいじられキャラで、さらに気持ちや感情を優先するタイプでした。なので『もっとコントロールしろよ』と周りから咎められるような一面もありました」

 元プロ選手であり、メディアに携わった外池。そういった経歴もあって、ア式蹴球部の選手たちにプレーだけでなく「自身を表現する力」を磨いてほしい――就任1年目から貫いている方針だが、相馬にもそれが当てはまった。

「選手としての価値を上げる」表現力を考えさせた

 外池が「選手としての価値を上げる」表現力を本人に考えさせた、象徴的な出来事がある。相馬が2019年からの名古屋グランパス加入内定が決まった、5月頃のことだ。

 グランパス加入が決まった旨を伝えるプレスリリースには、相馬のコメントがある。一部を抜粋しよう。

【次ページ】 自分の思いを書き、ロシアW杯中継ゲストにも

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