そんな宮城のことをプロのスカウトも「彼は天才。投げ込むだけでも十分に力を伸ばしていける」と話していたことがある。

「持って生まれたセンスですね。高校の時はバッティング練習をしていなかったけど、本格的に練習させればクリーンアップを打っていたかもしれない。ヤクルトの村上も1年から４番でガンガンやっていたでしょ。監督に言わせれば100人に1人みたいな。いるんですよ。そういう子が」

　心技体。すべてで投手の条件がそろっていた宮城を我喜屋監督は「野球をするために生まれてきた雰囲気だった」と話す。

「両親と少年野球の指導者、みんなで育ててきたのが宮城。そして宮城自身も謙虚だから伸びたんだと思いますよ」

子どもたちが憧れる選手になってほしい

　日本一に輝いたシリーズが終わり、教え子から電話がかかってきた。

「ごくろうさん、おめでとうと伝えたら、次は侍ジャパンで頑張ってきますと。次から次へと大変だけど頑張りなさいと言いました」

侍ジャパンの強化試合で捕手・甲斐（右）と言葉をかわす宮城　©︎JIJI PRESS

　西武・山川穂高、ソフトバンク東浜巨ら沖縄出身の選手が次々にプロで活躍する時代。今年のドラフト会議では沖縄大・仲地礼亜が沖縄の大学生として初めてドラフトの指名を受けた。沖縄の野球界が今、新たなフェーズに突入したと言える。その先頭を走るのは21歳のサウスポーかもしれない。

「宮城には世間が求める選手になってほしいですね。子どもたちが憧れるようなね」

　沖縄から飛び出した宮城がいつか日本を引っ張る投手へと成長する日を恩師は楽しみにしている。

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