Number ExBACK NUMBER
イチロー“投手”は打者・イチローをどう抑える?「ど真ん中が一番いいんですよ、イチローは」<パワプロ版 投手・イチローを先行公開!>
posted2022/11/08 17:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
©Konami Digital Entertainment
精悍な顔つきを時折ほころばせながら、現役時代をそう振り返るのはイチローだ。日米で安打を放ち続けたヒットメーカーは明日9日15:00から開始予定のモバイルゲーム『実況パワフルプロ野球』(以下『パワプロアプリ』)とのコラボ企画で「投手・イチロー」として登場するという。Number Webはイチロー氏が「もしイチローが投手だったら?」というテーマで、パワプロ制作サイドからの質問に答える動画を先行入手。これまであまり語られてこなかったイチロー氏が明かす自身の投球能力と理想の投手像とは? そして、ヒアリングの結果できあがった投手・イチローの能力も先行公開する――。
イップスですね、あれは
高校時代は愛工大名電のエースとして活躍したイチロー。だが、パワプロの担当者に「投手としてもドラフトの有力候補だった?」と聞かれると、イチローは右手を左右に振ってこう否定する。
「ぜんっぜん、有力候補じゃないです。目指してはいたんだけど、“ある事故”をきっかけに速い球を投げられなくなってしまって、ピッチャーを諦めた時期があったんです」
高校2年時に交通事故に遭い、「打つ方を優先させたい」というチーム事情からファーストを守るようになったイチロー。その時、投手・イチローは大きな壁に直面する。
「ファーストで(投げる時に)悪い癖がついてしまって、イップスっぽくなっちゃったんです。いや、イップスですね、あれは」
俺のイップスを治すために!
だが、イチローはその後の3年春のセンバツで背番号1を背負い1回戦の松商学園戦に登板している。一体どのような状態だったのか。
「当時右腕を担いで投げてしまう癖がついていたのを、その時は(腕を)なるべく大きく使って投げるようずっと考えながら投げていました。そんなピッチャーはあんまりいないと思います、甲子園で。“俺のイップスを治すために!”ってやっていましたからね(笑)」
いくらプロを目指していたイチローとはいえ、甲子園がイップス克服の場となっていたとは衝撃的な告白。結局、プロ入り後にイチローは野手に専念。オールスターなどでは登板したことはあるものの、プロ野球の公式戦では投手としての登板は実現しなかった。しかし、プロに入ってから150kmを投げたことがあるという。