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“ファミリーを大事にする男”鈴木優磨(26歳)が小笠原満男にした“相談”とは?「この人がそう言ってるんだから、大丈夫なんだなあって」 

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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photograph byHirokazu Ikeda

posted2022/11/04 17:01

“ファミリーを大事にする男”鈴木優磨(26歳)が小笠原満男にした“相談”とは?「この人がそう言ってるんだから、大丈夫なんだなあって」<Number Web> photograph by Hirokazu Ikeda

2年半ぶりの復帰となった今シーズン、鈴木優磨(26歳)はかつて小笠原満男がつけた「40番」を継承。タイトル獲得を逃したが「諦めない」と前を向く

 小笠原はこれまで17個のタイトルを獲得、Jリーグ30年の歴史でもっともタイトルを経験してきた男である。そして鈴木自身、今もっとも欲しいと言うのがタイトルだ。

「2016年のリーグ優勝や2018年のACL優勝を経験したけれど、タイトルを獲る経験はものすごくデカい。当時は俺も若かったから、試合に出てもただ思い切り自分のことを考えてやっているだけだった。でも今振り返れば、やっぱりチームのことを考えてやっている選手が多かったよね。だから、分かりやすかった」

 数多くのタイトルを経験してきた小笠原、曽ケ端準、中田浩二をはじめ多くの選手がどの立場になっても「一度経験すると、またもう一度、タイトルを獲りたいという欲が生まれる」と語る。アントラーズで草創期からクラブの礎を強化の立場で支えた鈴木満フットボールアドバイザーも「タイトルはチームをひと回り大きくする。それは選手個々もそう。そして、もう一度、獲りたいというその欲が、いい循環となり、さらにタイトルを生んでいく」と常々語る。

「今のチームは若くてタイトルを経験している選手が少ない。だからこそ、俺とか聖真くんとか(三竿)健斗とかがチームを引っ張って、まず1個タイトルを獲りたい。そこで大きく変わっていくと思う。そこで大きくチームとして成長すると思う」

「結果を受け入れて前に進むしかない」

 10月5日、アントラーズは天皇杯準決勝で甲府と戦い、0-1で敗れた。この敗戦は、2022シーズンのタイトル獲得の可能性が潰えたことも意味した。

 それでも、鈴木の心は折れていない。

「なかなか勝てないのに辛抱強く応援してくれているファン・サポーターには本当に申し訳ない。自分がチャンスで得点を決めていれば勝てた試合はいくつも頭に浮かんでくる。自分の不甲斐なさを強く痛感しているけれど、この結果を受け入れて前に進むしかない」

 現実を受け止めて、次に向かう。負け惜しみでもなんでもない。本当に目指すところを見据えれば、止まっている暇はない。

「俺はあきらめない。いつ見ることになるのかわからない光に向かって、止まらず進んでいきたい」

 先輩が見せてくれた常勝の姿。ともに経験したタイトルの喜び。それを自らが中心となり引っ張っていかなければいけない。その立場となり、悪戦苦闘しながらも今は、栄光へ進む道の途中だ。

(つづく)

#2に続く
「分かります? 着てもないものに熱くなれない」鈴木優磨(26歳)が日本代表より愛する鹿島で果たしたい“義務”と“ハセさん超え”

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