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「文句、言い合いはあっていいが」「アンジェさんは一流」元マリノス通訳がJ2昇格…今矢直城45歳が語るJ監督のリアル「車の中で泣き出すことも」
posted2026/02/07 06:02
J3優勝からJ2挑戦へ。栃木シティと今矢直城監督は今後、どのような歩みを見せるか
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Tsutomu Kishimoto
Jリーグ百年構想リーグを前に、J2初昇格した栃木シティ今矢直城インタビューの最終回(第4回)である。
今矢が人間的にも信頼を置く奥井諒とはどんな選手であるのか。その奥井に対しても、今矢は決して特別扱いはしていない。またサッカーにおける知性の重要性、イメージすることの大切さとは何であるのか。今矢の言葉に耳を傾けた。
コンセプトと全部違う。だからスパッと外した
――奥井諒のような選手は非常に使い勝手がいい。
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「奥井は早稲田大学のときから知っている選手です。彼の実績ならJ2・J3は余裕なのに、『最後は今矢さんとやりたい』と、JFLのときに栃木シティに来てくれた。プレイヤーとしてもそうですが、人間としてもチームをビシッと締められる。雰囲気が悪くなったり、ちょっとふわふわしているときなど、ピッチのパフォーマンス以外で彼の言動がチームに影響を与える。奥井にはそんなリーダーシップがあります」
――岐阜戦(11月15日、0−2)でもあれだけ相手にペースを握られる中で、縦に動いたり斜めに動いたり、ボールを引き出すための質の高い動きを見せていた。
「奥井はその前の3~4試合をベンチからも外しているんです。でも本人には何も言っていない。岐阜戦がスタメン復帰の試合で、試合前に、『今矢さん、もっと前に向かってプレーしろということでしょう』と彼が言う(笑)。ワンオンワン(選手との1対1の対話)はしないから直接話はしていないけど、それが正解なんです。
外す前はけっこう消極的でした。前を向かない、前にパスを出さない、前に走らない。ウチのコンセプトとは全部違う。だからスパッと外した。そこからずっと出番がなくて、岐阜戦では本人もわかっていたのではないですか」
文句、言い合いはあっていいが
――そういうことがあっての奥井の起用だった。
「英語の4つのI(アイ)――インスピレーションは感動を与える。これが一番大事で、他にはインテリジェンス(知性)とインテンシティ(強度)、それからインボルブメント——関わり続けること。プレーではもちろん、メンバー外でもチームに関わり続けようとすること。この4つのIを、チームとして大事にしようと4年前から言っている。知性の持つ意味は大きいです」
――知性ある選手を意図的に集めて、そういう選手が結果的に残った。

