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「サッカーはベテランですけど、大学では新人教員」元なでしこ代表・安藤梢が見つけた“最高の実験台”…40歳の今も若手と競える理由とは?
posted2022/11/04 17:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
URAWA REDS
「サッカーではベテランですけど、大学のなかでは“若手”。まだまだ新人教員です」
早朝から午前中はグラウンドで他の選手たちとともに練習をこなすと、午後はスーツに着替えてキャンパスに出勤。筑波大の助教として授業や研究活動を行う。
“助教”と“プロサッカー選手”の2つの顔を持つ女子サッカー界のレジェンド、三菱重工浦和レッズレディースの安藤梢は、40歳になった今もはつらつとした笑顔を見せていた。
朝から晩までスケジュールはびっしりでも彼女から一切疲れのようなものは感じられない。むしろ生き生きしている。その表情がなによりも充実していることを物語っていた。
教壇に立つのは「サッカーよりも緊張する」
現在、大学院ではスポーツマネジメント領域の授業を担当し、スポーツマネジメントに関することや、女子サッカーを例に女性スポーツの歴史や課題、世界の女性スポーツの発展についてなどの講義をしているという。さらに、自身の選手経験を活かし、世界と戦うためにどんなトレーニングを行ってきたのかトレーニングマネジメントを説くことも。今秋からは筑波キャンパスで大学の体育専門学群の女子学生たちにサッカーの実技授業を行っている。
学生の頃から研究は行っていたが、教壇に立ち授業を行うのは人生初の経験だ。もともと人前で話すのが得意ではなかったという安藤にとって、多くの学生を前に授業を行うことは大きな挑戦。「サッカーよりも緊張しています」と苦笑いするが、それも今となっては慣れつつある。
「1つ1つやり慣れながら、今は少しずつ自信をつけられているのかもしれません。まだまだ、周りの先生に学びながら吸収してやっていくという感じはありますけど」