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ヤクルト村上宗隆は「プロ野球史上最高のバッター」になりえるか? ライバルは落合博満&王貞治…過去の三冠王と“徹底比較”
text by
太田俊明Toshiaki Ota
photograph byL)BUNGEISHUNJU、R)Naoya Sanuki
posted2022/11/01 11:00
22歳にして伝説的三冠王たちと肩を並べた村上は、日本プロ野球史上最高の打者になりえるのか?(写真左が落合博満、右が村上)
村上だから目指せる「打者の最終理想形」
では長打力とミート力を両立させる「型」とは――。
メジャーでは、エンゼルスのマイク・トラウトや、ヤンキースのジャンカルロ・スタントンが、「腕を畳んだまま、球にバットをゴンと当てるだけで、フォロースルーもあまりとらない」という日本ではあまり見ない打法で本塁打を量産している。体幹の強さによる桁外れのスイングスピードがあってこそ成り立つ打法だろうが、村上なら“ゴンとバットを当てるだけで本塁打”という、小さな動作で長打力とミート力を両立させる理想形に迫れるかもしれない。
さらにもうひとつ、村上が成し遂げなければならないのが、怪我なく野球人生をまっとうする鍛錬と節制である。過去の三冠王たちは、いずれも長く現役を続けた。それぞれの引退年齢は、野村=実働26年・45歳、王=実働22年・40歳、落合=実働20年・44歳、松中=実働19年・42歳で、全員が40歳を超えるまでプレイしている。長く現役を続けなければ、通算成績で彼らを凌駕することはできないだろう。
才能と体格に恵まれた村上が、武器となる型を身につけ、40歳を超えるまで活躍し続けられれば、“史上最高打者”の称号は自然とついてくるに違いない。大いに期待しよう。
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