広島）育成ポイントは「リリーフ投手」

　5位の広島は新井貴浩新監督の元で再出発する。45歳の青年監督ということもあり、フレッシュな目で戦力の見直しも図られそうだ。

「戦力としては少し厳しいよね。投打ともにほしいところだけど、今すぐに勝てるチームを、ということを目指すなら外国人を獲ってくるしかない。ただ選手育成という点で補強ポイントを挙げるとすればリリーフ投手かなと思います。抑えはルーキーイヤーから2年間、栗林良吏がつとめているけれど、最終盤の勝負どころではちょっとバタバタしていた。3年目は蓄積疲労も出てくるころだし、他の中継ぎ投手も不安定なところがあるので、将来的に勝利の方程式を担える投手が獲れるといいよね」

　広島は右腕・斉藤優汰（苫小牧中央）の1位指名を公表。次世代エース候補としての指名を明かしているが、リリーフ転向する例も少なくない。投手を重点的に補強したい狙いがうかがえる。

中日）「なんと言っても長距離砲です」

　つづいて最下位の中日。チーム得点数（414）は12球団ワーストで、同トップのヤクルトとは205点もの大差があった。チーム本塁打数62も、シーズン日本人最多本塁打記録を更新したヤクルト・村上の個人記録と6本差という貧打だ。

「あそこはもう球場が広すぎるよ（笑）。楽天の監督の時に、フェンスを前に出してくださいよ、ってお願いしたことがあったんですが、その後規定のギリギリまで前に出すようになった。左中間からの風によってホームランが出ないというから、風を遮る何かを作ろうとなって今の観覧車ができた。だから中日も球団がしっかり考えてホームランテラスみたいなものを作った方がいい」

来季2年目を迎える中日・立浪和義監督 ©BUNGEISHUNJU

　実は立浪和義監督も「投手は育つが、打者は育って来ない」とテラス導入を熱望しているのだが、現時点では球場側の動きはなさそうだ。となれば、投手中心に守り勝つ野球をするしかない。機動力を生かしてなんとか1点をもぎ取る攻撃を発想しがちだが……。

「それは楽天の監督時代にやったんですよ。ちょうど飛ばないボールの時代で、球は飛ばない、ホームランバッターはいない、だから足を使うしかない、ってね。走りやすいように新しいサインも作って塁に進めてなんとか1点取るんだけど、次の回にツーラン打たれたらジ・エンド。ホームランって素晴らしいシステムなんですよ（笑）。短期決戦ならいざ知らず、1年間通して足で勝ちましょうというのは限界がある。中日が欲しいのはなんと言っても長距離砲です」

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