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プロ野球PRESSBACK NUMBER
新コーチ・大久保博元が語る“巨人の低迷はナゼ?” 問題は「ポスト坂本」の発掘よりも…「“間”になれる選手がいない」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/17 11:24
今季5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人をはじめ、セ・リーグ6球団の現状&補強ポイントを大久保博元が分析
巨人)「最悪な状況」「“間”になれる選手がいない」
最後に5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。チームの年齢構成、主力と控えの実力の差はやはり気になるポイントだ。来季「打撃チーフコーチ」として入閣するチームとあって、自然と口調に熱がこもる。
「“間”になれる選手がいないですよね。坂本勇人や丸佳浩がいざ試合に出られないとなった時に、代わりに出てくる選手の実力不足が目立つ。脅かす存在を育てきれなかったというのもあるし、調子が上がっている選手の旬の時期を逃さず一軍で使えなかったということもある。今シーズン、二軍はイースタンリーグでヤクルトやDeNAにも大きく勝ち越しているけれど、二軍が強くて一軍が弱いというのは最悪な状況ですからね」
来シーズン以降の大きな課題は「ポスト坂本」だ。遊撃手でゴールデン・グラブ賞を5度獲得するなど不動のレギュラーを張ってきたが、今季は3度の故障離脱があった。
「何年もショートを守り続けることができる選手は作ろうと思っても作れない。坂本の代わりの選手を獲ってくるのは至難の業だよね。だからまずは怪我をしないようにどうやってコンディションを作らせるか、練習量をどう調整すればいいのか、我々素人の判断じゃなくて医学の目も通してしっかりとプランを立てた方がいい。それと同時並行で、将来を見据えたショートの補強も必要になるでしょうね」
「先の対戦を見据えたリードができていない」
今季のチーム防御率3.69は12球団ワースト。失点数(589)、与四球(414)、与死球(65)はともにリーグワーストで投手陣の不調が目立った。大久保氏は投手だけでなく捕手の責任も大きいと語る。今季は大城卓三が104試合先発マスクを被ったが、不動の正捕手と呼ぶにはまだ早い。数年後を見据えた捕手の獲得、育成もポイントになりそうだ。
「3連戦を見越したリード、さらに先の対戦を見据えたリードができていないように思います。例えばエースの菅野(智之)が完封しそうだ、という状況だと目先の完封にとらわれている。そこでたとえ1点取られても、インコースをバンバン攻めて2戦目以降へ布石を打つ、という考えがない。牽制を何回入れるか、一発があるバッターへの配球をどうするか、少なくとも3連戦、さらに1週間分くらいのプランをたててリードしないといけないですよね」
来季のセ・リーグは広島、阪神が新監督を迎える。最後に煮え湯を飲んだDeNA、最下位に低迷した中日、原辰徳監督のもとでは初めてBクラスに沈んだ巨人も、巻き返しを期している。貯金「21」を稼ぎ独走したヤクルトの黄金時代は続くのか? 20日のドラフト会議からスタートするオフの戦力補強にも注目が集まる。
<パ・リーグ編から続く>
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