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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラフトは「当然、育成指名OKです」「24歳は“プロ入りする限界”かなと」独立L徳島の“隠し玉候補な俊足巧打+明大卒右腕”の本心
posted2022/10/17 20:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
独立リーグ四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスは2013年の東弘明(オリックス育成1位、引退)以来、9年連続でNPBに選手を輩出。その数は17人に及ぶ。今季も有力なドラフト候補が控えている。
独立L監督が見る“ドラフト指名を受ける選手”の特徴
今季から就任した岡本哲司監督は、横浜大洋、日本ハムでプレーし、引退後はNPB、独立リーグなどで長い指導者歴を有するベテランだ。まずは「独立リーグ選手からドラフト指名される」という点について聞いた。
「徳島という球団には、プロ野球選手を輩出するという大きな目標があります。もちろん、ペナントレースも戦うわけで、編成と育成両方にこだわっていかなければならない。
例えば独立リーグで長く野球をする選手はリーグに適応して成績は上がるし、チームも強くなるけど25~26歳にもなればドラフト指名される確率は下がっていきます。選手を入れ替えないとNPBに行く選手は出ない。でも入れ替えるとチームが弱くなる。我々はそんな環境の中で戦っていかなければならないんです。
ペナントレースで勝つ采配ができる監督は他にもいるかもしれませんが、同時に選手も育成することができる監督はそんなにいないんですね」
ではその中で、ドラフトで指名されるのは、どんな選手だろうか?
「まず身のこなしがある程度のレベルじゃないとダメですね。体の動き方、出力の発揮の仕方です。練習を見ていれば、選手の可能性はひと月でわかります。それでも“あの選手は難しいな”と思われても、選手自身の中にある能力がそれを覆せるかどうか。独立リーグの選手はプロ野球選手にハード面では勝てないことが多い。だからこそ、それをメンタルで補い、克服できる選手が可能性があると思いますね」
スピード感のある好打者として高評価の茶野
今年の独立リーグ全体を見渡しても「スピード感のある好打者」として評価が高いのが茶野篤政(ちゃのとくまさ/右投げ左打ち、175cm81kg)だ。
茶野は中京学院大中京高から名古屋商大を経て徳島に入団した。大学時代は内野手だったが、徳島では外野を守っており、見るからに俊敏な印象だ。本人に徳島に入団した経緯と、ここまでの手ごたえを聞いた。
「大学を出てからも野球を続けたかったので、大学のコーチに推薦してもらって徳島に入団が決まりました。大学では(NPB球団からの)調査書はもらっていません。当時はプロに行くという意識はなくて、ただ野球を続けたかっただけですが、徳島に入ってから初めてNPBに行くことを意識し始めて、これを目標にして何とか成長できたかな、と思います」