東大からプロへ。井澤と阿久津の“最適解”

　井澤駿介、阿久津怜生（東大）　

　今回は5年ぶりに東大出身のNPB選手誕生が期待されている。志望届を提出済みなのは右投手の井澤と外野手の阿久津だ。今秋のリーグ戦で慶大に勝った井澤は、自らも中日の選手だった井手峻監督をして「井澤が先発して勝つのが私の夢でした」と言わしめた赤門の絶対エースだ。

　一方、阿久津は異例の経歴の持ち主。中学では陸上部に所属し、400m走で全国制覇。宇都宮高校では野球部だったが、東大に現役で入学後はアメリカンフットボール部に入部した。快足を生かし、RBとしてプレーしたがアメフット流の食トレで体重が大幅増。2年夏に 野球部へと転部した。もちろん最大の武器は走力にある。近年は圧倒的な走力をもつ代走要員の活躍の場が広がっており、切り札不足の中日などはチャンスがありそうだ。

評価高まる沖縄大の剛腕・仲地に縁があるのは……

　仲地礼亜（沖縄大）　

　最速151kmの上位候補。無事に指名されれば、沖縄県内の大学からは初めてのプロ野球選手となる。オススメはDeNAと中日だ。出身は中日二軍キャンプ地の読谷村で、中学時代は一軍キャンプ地のある北谷ボーイズでプレーした。高校はDeNA二軍キャンプ地の嘉手納高校に進んだ。球団のお膝元だけではなく、こうした「地縁」から指名に至る例は意外と多い。

　11人のドラフト候補は運命の日を待つ。しかし、そこはゴールではなくスタート地点。指名順位や球団に一喜一憂はしても、その後の輝きを保証するわけではない。本当の「ナンバーワン」が誰なのかは、数年後の歴史だけが証明してくれる。

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