山田陽翔（近江）

投手としてだけでなく打者としての評価も高い近江・山田　©Hideki Sugiyama

　4番、エース、主将として3季連続甲子園に出場した。準優勝1回、4強2回と実績は申し分ない。気迫を前面に押し出す投球スタイルと、投打二刀流をあきらめきれない才能は、高校時代（東邦）の中日・藤嶋健人をほうふつさせる。ただし、スカウトの評価も本人のコメントもどちらかというと投手寄り。上位指名が濃厚だが、ぜひともオススメしたいのは日本ハムである。

　U-18W杯ではクローザーとして起用された。限定された投球数で、一気にパワーを爆発させるリリーバーは、いかにも山田に合っている。願わくば、中盤以降のマウンドには外野や指名打者など野手として先発出場してから上がってもらいたい。週に1度の先発投手とは違う新たな二刀流スタイル。その育成プログラムを立てられる球団は、大谷翔平を育てた日本ハムをおいて他にはない。

大阪桐蔭の中軸トリオに最適なチームはここだ！

　川原嗣貴、松尾汐恩、海老根優大（大阪桐蔭）　

捕手の松尾（左）とエースの川原。大阪桐蔭のトリオはどの球団に指名されるのか　©Nanae Suzuki

　明治神宮、センバツ、国体を制覇。夏に敗れてなお「最強説」が根強い名門の中軸トリオだ。そろってU-18W杯日本代表に選出され、プロ志望も表明済みである。

　最も早く指名されそうなのが捕手の松尾。4度の甲子園で計5本塁打を放っている。捕手としてのスローイングも安定しており、走力も高い。若手捕手の指名が急務な球団にはうってつけだ。巨人、DeNA、楽天、ソフトバンクなどはぴたりとはまる。

　188cmの大型右腕・川原はダイナミックなフォームが魅力的だ。佐々木朗希との両輪が並び立てば、見映えは抜群。ロッテ、あるいは高卒投手が次々と育っている西武などにオススメ したい。

　松尾に負けじと甲子園では3本塁打。パンチ力が自慢の海老根は、大学に進んで指名順位を上げるプランもあっただろうが、本人は18歳でのプロ入りを目指す。連覇は果たしたが、打力をさらに強化したいオリックスでじっくり鍛えるのが良策かもしれない。

【次ページ】　村上宗隆と慶太、佐藤輝明と太紀。兄弟で同チームはアリ？