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東大野球部は大阪桐蔭・根尾昂を誘っていた「彼が本気で勉強すれば、東大合格していた」東大の“新スカウト戦略”で甲子園経験者が増加中―2022上半期 BEST5

posted2022/09/28 06:00

 
東大野球部は大阪桐蔭・根尾昂を誘っていた「彼が本気で勉強すれば、東大合格していた」東大の“新スカウト戦略”で甲子園経験者が増加中―2022上半期 BEST5<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

大阪桐蔭から2018年ドラフト1位で中日入りした根尾昂。中学時代の成績はオール5、その文武両道ぶりに東大野球部も早くから注目していたという

text by

沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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Sankei Shimbun

2022年の上半期(対象:4月~8月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。スポーツ総合部門の第5位は、こちら!(初公開日 2022年8月22日/肩書などはすべて当時)。

東京六大学野球リーグの選手たちの出身校をみると、甲子園常連校や強豪校がズラリと並ぶ。早稲田や法政、立教、明治などはスポーツ推薦で入学する野球エリートが多いからだ。慶應はスポーツ推薦を実施していないが、強豪として鳴らす慶應高校をはじめとする内部進学組の安定感が心強い。こうした私立5校と比べると、スポーツ推薦も内部進学もない東大は断然に不利だ。しかし、これをはねかえそうと、東大野球部OB会では独自のスカウト活動を展開しているという(全2回の2回目/#1へ)。

前編記事<「慶応は…本当に嫌いですね」東大野球部のスカウトが語る“スポーツ推薦も内部進学もない”東大の努力>では、東大野球部のスカウト活動の概要を見てきたが、この後編では実例を紹介したい。東大野球部OB会がボランティアとして設置したスカウト事務局の部長で、東大野球部の元監督でもある浜田一志に聞いた。

「活動が実を結び、かつては1学年につき10人程度だった部員数が、最近では20~30人に増えました。人数が増えるとそれだけ優秀な強いチームになりますが、増えすぎると今度は人口密度が高すぎて練習にならないという負の側面も出てきます。同じ学年で1つのポジションを2人で争ういまの状態は、ちょうど良いくらいですね」

「花巻東からも1人入部しました」

 しかも、その中には甲子園経験者も複数含まれているのだから、見事な成果だろう。なにしろ東大野球部100年あまりの歴史の中で、甲子園経験者はたったの24人しかいないのだ。

「現在の東大野球部には静岡と東筑(福岡)の甲子園経験者が1人ずつ在籍し、甲子園のベンチに入れなかった同校出身者(静岡2人、東筑1人)もいます。また、昨年には、甲子園出場者ではありませんが、強豪校の花巻東からも1人入部しました」

 静岡は春夏あわせて43回の甲子園出場を誇り、夏の大会で優勝1回、準優勝2回という実績を持つ。東筑は春夏合わせて9回甲子園に出場しており、近鉄やオリックスの監督を歴任した仰木彬(故人)の母校でもある。

 ただ、両校は野球の強豪であるとともに県内トップの進学校でもあり、勉強の環境としてはじゅうぶん。その選手ともなれば東大へ入れるポテンシャルをもともと備えていても不思議はない。特筆すべきは花巻東のケースだ。

「大巻くんはリアル『ドラゴン桜』でした」

 花巻東といえば、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)や菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)などを輩出した岩手の強豪校。同校野球部に所属していた大巻将人(2年)は、2浪の末に昨年東大に合格した。同校からの東大合格は史上初。浜田にとっても、スカウト活動の中で最も印象に残っている球児だという。

【次ページ】 「大巻くんはリアル『ドラゴン桜』でした」

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