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《仮想ドラフト》浅野、山田、大阪桐蔭トリオに村上&佐藤弟…注目候補にピッタリな球団は? 戦力・育成力で占う最適マッチングはこれだ!
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byHideki Sugiyama
posted2022/10/13 11:05
「打てる捕手」である大阪桐蔭・松尾は捕手の人材難に苦しむ球団から人気が高い
矢澤宏太(日体大)
投手なのか、打者なのか、それとも二刀流か。各球団とも上位候補なのは間違いないが、実はスカウトの眼力が問われている。18歳の山田と違って「まずは決めつけずに投打両方を」と育成からスタートするわけにはいかない。「2人の矢澤」を個別に評価する必要がある。「どちらも即戦力だ」と言い切れる球団は迷わず行くべし。「どちらか一方」を評価している球団は、今一度、もう一方の才能を消し去って検討すべし。それでも高評価ならやはり行くべし。「どっちもまずまず」程度の球団は、見送るべし。例えば投手5点、打者5点の見立てなら、足して10点とならないのがプロ野球だ。それなら10点の投手や打者を指名する方がはるかにいい 。そんな矢澤の1位指名を公表したのはやはり日本ハム。稲葉篤紀GMはその才能を「オンリーワン」と形容。入団したあかつきにはもちろん投打二刀流で育てていくプランである。
村上宗隆と慶太、佐藤輝明と太紀。兄弟で同チームはアリ?
村上慶太(九州学院)、佐藤太紀(関学大)
こちらは現時点では実力より話題性、実績より将来性かもしれないが、潜在能力は捨てがたい。令和の三冠王・村上宗隆(ヤクルト)を上回る190cmの体格を誇る慶太は、兄と同じ左打ち。今夏の甲子園でもチームを8強に導いた。
一方、阪神・佐藤輝明を兄に持つ太紀は、兄と同じ187cmで、兄とは逆の右打者だ。ただ、こちらは大学3年生までは公式戦出場なし。今春から代打中心に経験を重ねているところ。NPB入りするなら育成選手からのスタートが濃厚だ。そうなれば最も確率があるのは阪神。きっかけは兄の七光りだとしても、そこから這い上がることはできる。地元・甲子園で活躍すれば、1位入団の兄とは対照的なストーリーは、ファンの心を打つはずだ。