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穴があるのに魅力満点! CS逃しの巨人でアダム・ウォーカーはなぜ愛されたのか? 本人が明かす「ジャパニーズ・ドリームと徹底リサーチ」  

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2022/10/06 17:19

穴があるのに魅力満点! CS逃しの巨人でアダム・ウォーカーはなぜ愛されたのか? 本人が明かす「ジャパニーズ・ドリームと徹底リサーチ」 <Number Web> photograph by Nanae Suzuki

CS進出を逃した巨人の中でファンに強いインパクトを残したアダム・ウォカーがこの1年を振り返った

「覚えているのは(ジャスティン・)スモーク、(ケーシー・)マギーとかですね。そういう選手が、日本でどういう成績を残しているのかを調べて、自分もどういう成果を出せばNPBで助っ人として活躍できるのかを自分なりに調べてみました。その結果から自己分析すると、自分の弱点というのは打席で積極的に振りにいくので三振が多いこと。結果として四球も少ないな、と。これは自分に対する周りからの評価でもあったので、これを改善するにはどうしたらいいのかを凄く考えました。もちろん強い打球、ホームランを打ちたい気持ちはあるし、それが僕の一番の特長です。ただ、引っ張るだけではなく、右方向にもセンター方向にも、全部の方向に芯で捉えたヒットを量産できるようにならなければならない。そう考えて自分なりに練習してきました」

日本の投手の印象「びっくりするくらいの球種の多さが…」

 ただ、実際に日本で打席に立ってみて、戸惑いがなかったわけではない。もちろんボール3で投手に不利なカウントでも、ストレートではなく、平気でボールになる変化球で勝負してくることなどはリサーチ済みだった。

「アメリカで聞いた日本のピッチャーの特徴は、勝負球で真っ直ぐを投げてくるより変化球、落ち球で勝負してくるケースが多いということ。確かにアメリカで僕がプレーしていたリーグでは、自分が1番自信を持っている強い真っ直ぐで勝負してくれる投手がほとんどだった。ただ、実際に日本に来て打席に立ってみると、もちろんそういう変化球での勝負もあるけど、意外とストレートで勝負してくる投手もいた。それよりも一番違いを感じたのは、投手の変化球の種類の多さだね。アメリカなら1人の投手が持つ球種は3つ、多くても4つくらい。それが日本では真っ直ぐ、スライダー、カーブに加えてシュートもあるし、カットボール、フォークとか落ち球もある。どの投手もだいたい5、6種類ほどの違う球種をうまく投げてくる。びっくりするくらいの球種の多さが、日本の投手と対戦した1番の印象だね」

 多彩な変化球による前後、左右の揺さぶりに開幕直後は少し苦しむ場面も多かった。

【次ページ】 プレレベルにはほど遠かった守備力の問題

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