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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
異色経歴から愛されスラッガーに! 巨人アダム・ウォーカーが語る「亀井さんとの守備練習と印象に残るプレー”ベスト3”」とは?
posted2022/10/06 17:20
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
独立リーグ出身の異色の経歴を持つ外国人選手、巨人のアダム・ウォーカー外野手への直撃インタビューで振り返るジャパニーズ・ドリームをつかんだ1年。第2回は日本で一から出直した守備の話から聞いた(全2回の2回目/#1から読む)。
◆◆◆
「若い頃に誰にも教えてもらったことがなかった」という守備での不安が露呈したウォーカーは、開幕直後から外野守備走塁担当の亀井義行コーチとのマンツーマンの守備練習をスタートした。
亀井コーチから「練習やる気あるのか!」
毎日、試合前に外野でノックを受け、打球への入り方から補球の際の注意点、クッションボールの処理など守備のイロハを亀井コーチにつきっきりで教わった。最悪だったスローイングも根本的な改造に着手し、こちらも基本から伝授された。
「亀井さんからは最初、『練習やる気あるのか!』と、そんな話から始まりました。亀井さんは最初に会ったときから、オープンマインドなタイプで、何でも思ったことを正直に話してくれる人。だから自分も疑問に思うこと、課題と考えていることについて、頭にあることを最初から遠慮なく質問してコミュニケーションをとりながら練習を進めることができました。少しずつ改善させるために、自分も成長したい気持ちはある。そこに手を差し伸べてくれた亀井さんと、うまくコミュニケーションをとりながら練習に取り組めているのが良かったと思います」
こうして日々、必死に練習に取り組む姿勢と、その地道な努力の結果として、牛歩の如くでも少しずつ守備力が向上していった。そんなウォーカーの姿は、多くのファンの共感を呼ぶことになる。
最初に変化を見せたのは蛇行していたボールへの入り方が、次第に直線的になっていったことだった。次のプレーを予測して打球に入れるようになったので、プレーに余裕も出てきた。
ただ最後まで残ったテーマはやはり苦手だったスローイングだ。
6月14日。ジャイアンツ球場での練習。打撃練習が終わったウォーカーがブルペンに立った。そこで投手陣に混じって30分ほど“ピッチング練習”を行ったのだ。