伊藤は6月シリーズでは左サイドバックでテストされたが、今回はCBで起用された。3バックへの変更後は所属クラブと同じ左CBに入っており、CBとしての性格が強まっている。

　板倉が間に合わなかった場合は、新たなCBを招集する。CBを4人+伊藤にすることで、3バックへの備えを万全にするのだ。

　カタールW杯のグループステージは、中3日の3連戦だ。そして、ドイツ戦やスペイン戦では守備陣が大きなストレスを受けることが想定される。このところケガの多かった酒井や冨安はもちろん、DF陣全体の疲労を分散する意味でも、9人で臨むのがベターと考える。

負傷が続いていた冨安健洋だが、アメリカ戦ではフルタイム出場を果たした　©Kiichi Matsumoto

招集の可能性は低いが「推したい選手」とは？

MF　遠藤航、守田英正、田中碧、伊東純也、三笘薫、鎌田大地、南野拓実、堂安律、久保建英、旗手怜央

　今回の2試合で採用された4-2-3-1を前提に考えると、遠藤航（シュツットガルト）と守田英正（スポルティング）のダブルボランチは決まりだ。4-3-3なら彼らふたりに田中碧（デュッセルドルフ）を加えた3人になる。

　問題は4人目のボランチだ。エクアドル戦に先発した柴崎岳（レガネス）は、率直に言ってインパクトに欠けた。スタメン総入れ替えで慣れない組合せだったとはいえ、経験と実績のある選手だ。物足りなさは残る。4-2-3-1のダブルボランチには無理なくハマるが、4-3-3のインサイドハーフでは結果を残せてこなかったところもある。

　そこで推したいのが旗手怜央（セルティック）だ。今回の2試合で出場機会のなかった彼は、率直に言って選ばれる可能性が低い。森保監督のこれまでの選手起用から考えれば、柴崎か原口元気（ウニオン・ベルリン）が選ばれるだろう。あるいは、他のポジションを削ってふたりとも選ぶことも考えられる。ロシアW杯のメンバーだった彼らは、チームを下支えしてきた経験者だ。

CLのレアル・マドリー戦でプレーする旗手怜央　©Getty Images

　そのうえで言えば、旗手はインサイドハーフとダブルボランチの一角での起用が見込める。中盤の選択肢に厚みが出る。セルティックでともにプレーする前田大然や古橋亨悟と同時起用すれば、日常から培っているコンビネーションを生かすこともできる。

　所属クラブでのパフォーマンスは、ここまでのところ申し分ない。CLでさらに揉まれれば、自信を膨らませることもできる。相手を見てサッカーができる旗手がいることで、戦術的な選択肢は広がると思うのだ。

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