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マンU香川真司やレスター岡崎慎司、アーセナル冨安健洋らがプレミアで絶賛された瞬間「シンジがいなければ優勝は…」「トミは見事」
posted2022/09/05 17:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
<名言1>
ビッグクラブのプレッシャーを喜びに変え、自分のパフォーマンスを見せたい。
(香川真司/Number818号 2012年12月6日発売)
◇解説◇
★マンチェスター・U:57試合6得点10アシスト(※公式戦成績は以下全て「transfermarkt」より)
2012年夏、ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を果たした香川。世界有数のビッグクラブの扉を実力でこじ開け、日本サッカー界に新たな歴史を刻んでいった。
移籍1年目、前半戦の香川は膝を負傷したことで約2カ月、戦線離脱を余儀なくされた。戦列復帰となったのはプレミア恒例、年末年始の超過密日程下でのこと。12月29日のウエスト・ブロムウィッチ戦がその舞台になった。
この時期のイギリスらしい冷たい雨が降ったことで、ピッチは“重馬場”に。それでもトップ下に立った香川はキックオフから9分でふわりとした浮き球パスを前線に送ると、アシュリー・ヤングへとボールが通り、ここからオウンゴールを誘発するなど存在感を見せた。
「シンジの出来には満足している」
御大アレックス・ファーガソンから贈られた香川評は、決して日本人への“リップサービス”ではなかった。
香川の力を見せつけたハットトリック
その後の連戦でこそ結果を出せなかった香川だが、“赤い悪魔”として特大の輝きを放ったのは3月2日のことだった。ノリッチ戦に先発した香川は、前半アディショナルタイムにFWファンペルシの絶妙な落としに反応して先制弾を奪うと、後半にはルーニーからのお膳立てを受けてゴールネットを揺らし、プレミア史上初となるアジア人のハットトリックを達成した。
この香川の大活躍は9年後の2022年、ユナイテッドの公式サイトでは「この試合こそシンジ・カガワ、ユナイテッドでのベストパフォーマンスだったのか?」とのタイトルで、3ゴールを動画付きで紹介しており、聖地オールド・トラフォードに衝撃を与えたのは間違いない。
世界的メガクラブの重圧をも力に変えようとした青年・香川の挑戦。現在の日本人プレーヤーの系譜に繋がっている。