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「今だから言うわけじゃないけど…」5年前、村上宗隆が“繰り上げ1位”だったドラフト…スカウトの証言「村上の評価は清宮以上でしたよ」
posted2022/08/18 17:07
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
甲子園球場では夏の高校野球がたけなわだが、プロ野球のペナントレースは100試合を超えて、ヤクルト・村上宗隆選手の「三冠王獲得」が、ジワジワと現実味を帯びてきた。
8月17日現在、打率.320(3位)、42本塁打(ダントツ1位)、打点は104打点(やはりダントツ1位)に達し、「厘差」の攻防を繰り広げる「打率」以外は、大きな故障さえしなければ、まず安泰。
あとは、横浜DeNA・佐野恵太、中日・大島洋平を抑えて、首位打者を獲得すれば……。プロ5年目、史上最年少の「三冠王」が誕生する。
5年前、7球団が清宮を1位指名した
今季は、同期の清宮幸太郎選手(日本ハム)も、新庄剛志監督に辛抱強く起用されて、ここまで96試合で13本塁打をマーク。ようやく、素質の片鱗を見せ始めている。
2017年のプロ野球ドラフト会議。
その早稲田実業高・清宮幸太郎内野手を7球団がこぞって1位指名。抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得。
清宮を逸したヤクルト、巨人、楽天の3球団が、「繰り上げ1位」で九州学院高・村上宗隆捕手を指名し、ヤクルトが抽選で「村上宗隆」を引き当てた。
プロ入団後は、逆に村上が年々水を空ける活躍。今月2日にはプロ野球史上初の5打席連続ホームランまで達成し、今や球界を代表するスラッガーとして君臨する。
プロ野球スカウトの証言「今だから言うわけじゃないけど…」
高校生スラッガーの両横綱が相並び立った「2017ドラフト」。
当時の様子をスカウトの方たちに訊いてみると、各球団の思惑や、現場のスカウトたちの思いは、微妙に錯綜していたようだ。ここからは今夏、各球団のスカウトの方々に聞いた証言である。