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木村沙織はバレーボールと距離を置いていた?「全然そんなことない。でも…」“待望”の荒木絵里香との解説は「大迷惑をかけた(笑)」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/07/25 11:01
眞鍋政義監督の復帰をニュースで知ったという木村沙織。「主役は選手」と、陰ながらサポートしたいと笑顔でエールを送った
再び眞鍋は日本代表の指揮を執る。
「ビックリですよね。ネットニュースを見て、普通に、えー! って(笑)」
驚かされたのはそれだけでない。3年後のパリ五輪へ向け、就任時の会見で眞鍋は「オールジャパン体制で臨む」と話し、その言葉を体現するごとく新たな試みに着手した。
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今季の日本代表登録選手の中から22名が集った5月6日の記者会見では、12年のロンドン五輪に出場した12名の選手と、直前までチームに同行した石田瑞穂を加えた13名が“アントラージュfromロンドン”として、合宿中など可能な限り現チームのサポートに携わることを発表した。
年に一度の“ロンドン会”に象徴されるように、12年から時間が過ぎる中でも変わらぬ関係であり続けた大事な仲間。
とはいえ、当時最年少だった新鍋理沙が20年6月に、続いて江畑幸子が21年3月に、東京五輪で主将を務めた荒木絵里香も五輪後の9月に引退を表明した。当時のメンバー全員が現役を離れ、家庭を持ち、母になった選手も多く、今はそれぞれの人生を生きている。
木村を含めて皆がバレーボールが大好きで、たとえユニフォームを脱ごうと今の選手やチーム、バレーボールという競技そのものを応援することに変わりはない。だが、眞鍋からのアントラージュについての打診を受けた当初は「戸惑いしかなかった」と振り返る。
「頑張っている選手が一番ですから」
「私もバレーボールの現場から離れているし、正直に言えば、今回の代表に入った顔ぶれを見ても半分ぐらいしかわからなかったんです。もちろん応援しているし、できることがあればサポートも協力もするけれど、そもそもできることがあるのかな、って。むしろ今の選手たちが頑張っているのに、過去の人が出ていくっていうのが『うーん、どうなんだろう』という気持ちもありました。何より今、パリを目指して頑張っている選手が一番ですから」
現役時代から、同じような言葉を何度も聞いた。