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「イシカワの技術はパーフェクト」「世界の10人にユウキはずっといる」石川祐希の“安定感”を世界が賞賛…あのレジェンドも驚き「今は別人」
posted2023/06/14 11:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
FIVB
「世界一のプレーヤーになる」
バレーボール日本代表の主将でエースの石川祐希(27歳)が、たびたび口にしてきた目標だ。
その壮大な夢は確実に実現に近づいている。特にこの1年は、そう思わされる場面を日本代表や世界最高峰リーグのイタリア・セリエAで幾度も見せてくれた。
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セリエA参戦8季目の2022-23シーズン、石川が所属するミラノはプレーオフ準々決勝で、レギュラーシーズン1位のペルージャを3勝2敗で撃破。初めてベスト8の壁を破り、準決勝に進出した。石川はコートの中心でリーダーシップを発揮し、プレーだけでなく精神的にもチームの支柱となっていた。
ネーションズリーグでも別格の安定感
6月6日に開幕した今年最初の国際大会・ネーションズリーグでも、日本の主将として大きな存在感を示している。
予選ラウンドの第1週・名古屋大会を終えて、日本はイラン、セルビア、ブルガリア、フランスに4連勝し全体の1位。まだ主力選手が揃っていないチームが多いとはいえ、特にヨーロッパのチームは選手層が厚く高さがあり容易な相手ではない。セットを奪われたり、リードされる場面もあった。だがそんな時も今の日本はどこか余裕を感じさせる。
チーム全体として選手個々の力は確実に上がっているが、その中でもやはり“石川がいる”ことの安心感は大きい。勝敗を分けるような1点には石川が絡んでいた。
初戦のイラン戦は、試合の立ち上がり、髙橋藍の好守備で作ったチャンスを、最後は石川のスパイクでものにしてブレイク。今シーズンのいい流れを作りたい初戦、セッターの関田誠大はトスを石川に託す場面が多かった。
関田の言葉からは絶大な信頼感がうかがえる。
「彼はチームの軸なので。託すというか、困った時に彼に持っていけば、今日の試合を見てもわかるように、やっぱりどんなブロックが来ても決められる、いろんな引き出しを持っていて、非常に頼りになりますね」