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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ピカチュウ」が話題だが…「ジーコ=やせっぽち」は間違い? ロナウジーニョとロナウドの違いって?〈ブラジル人選手ニックネームのナゾ〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJMPA
posted2022/07/23 17:02
日本でも愛されたロナウジーニョとロナウド。2人の愛称って何が違う?
彼のファーストネームはアルトゥールで、家族が「アルトゥールジーニョ」(小さいアラウトゥール)と呼び、それが訛って「アルトゥールジーコ」へと変形。さらに、その末尾だけを取って「ジーコ」となった。
日本のメディアの記事で、「ジーコとは痩せっぽちの人のこと」という説明を読んだことがあるが、これは間違い。ポルトガル語に「ジーコ」という言葉は存在せず、従って意味も持たない。
風貌からニックネームをつけられる場合も
風貌からニックネームを付けられる場合がある。
たとえば、マラドーナ、カレッカらとナポリの黄金時代を築いたMFアレモンは、ポルトガル語で「ドイツ人」を意味する。彼がドイツ人のような風貌を持つからだ。
最近はブラジル代表から遠ざかっているが、2019年のコパ・アメリカ(南米選手権)で大活躍して得点王となったエべルトン・セボリーニャ(現フラメンゴ)という選手がいる。「エベルトン」はファーストネームだ。
ブラジルにはトゥルマ・ダ・モニカ(モニカと仲間たち)という国民的人気漫画があり、登場人物の中にセボリーニャ(ネギの意味)といういたずらっ子がいる。このキャラクターと風貌が似ているため、チームメイトからこう呼ばれるようになった。
インディヘナ系の選手で、本名とは無関係にインジオ(ポルトガル語でインディヘナのこと)と呼ばれる選手もいる。これまで、フットボール選手で7人、フットサル選手で1人のインジオがいた。
これは一般人でもそうで、ブラジル生まれのブラジル人とわかっていても、仲間内でアレモン(ドイツ人)、トゥルコ(トルコ人)などと呼ばれる人がかなりいる。
中国系ではないにもかかわらず、「中国人に風貌が似ている」という理由でシーナ(中国)と呼ばれた選手も複数いる。
このうち有名なのは、1978年から1994年までボランチとして活躍し、1983年、グレミオ在籍中にトヨタカップで優勝した選手。シーナは彼を含めて5人おり、ハンドボール選手でも1人いる。
マルセロ、パウロなど“あるある名字”はどうする?
また、マルセロ、パウロなどブラジルでありふれたファーストネームを持つ選手の場合、周囲の人が区別する必要性から、名前の後に出身地の名前を付けることが多い。