対・大阪桐蔭で戦力になりうる投手は？

　前述の7投手だけでなく、サイドハンド右腕の渋谷翔などさまざまなバリエーションの投手が控える。須江監督に「対・大阪桐蔭で戦力になりうる投手を挙げてもらえますか？」とリクエストしたところ、10人もの投手の名前が挙がった。その顔ぶれが、当記事トップページ画像の10人である。

仙台育英・須江航監督 ©Sankei Shimbun

　選手にも指揮官の思いは伝わっている。斎藤は大阪桐蔭を「日本一を獲るための基準」と位置づけている。

「3月に関西遠征をして、近畿のチームのレベルの高さを実感しました。一つのプレーに対するスピードが、物理的にも思考的にも速い。仙台に帰ってきてからも、常に『関西基準』を頭に置いて練習しています」

　一時は伸び悩んでいた古川は、ようやく停滞期を抜け「今が一番いい」と好調をアピールする。

「コントロールを人一倍磨こうと決めてから、出力を上げても一定の制球ができる自信がついて、スピードも上がってきました」

　そして成長著しいのは、昨秋の東北大会ではベンチにすら入っていなかった仁田だ。2年生になった今春、大学チームとの練習試合では9者連続を含む17奪三振をマークして完投。今後パフォーマンスが安定してくれば、来年のドラフト候補に挙がるだろう。

「育英は左ピッチャーが多いので、いつ抜かれてもおかしくない、気が抜けない環境です。もし大阪桐蔭と対戦したら、力で押すだけでは抑えるのは難しいと思うので、意表を突くコースや配球も使って最少失点に抑えたいです」

成長著しい2年生左腕の仁田陽翔　©Takahiro Kikuchi

大阪桐蔭・前田はいかに攻略するか

　仮に投手陣の奮闘で大阪桐蔭打線を抑え込んだとしても、超高校級の投手陣から得点を奪わないことには勝ち目はない。とくに2年生ながら実質エース格の左腕・前田悠伍に対して、須江監督は「攻略できるイメージが湧きません」と頭をかく。

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