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巨人・原監督「キャッチャーが気になるところでしょ、ねっ」開幕戦でまさかの“スガコバ”復活…小林誠司起用の真相はエース・菅野智之に問題が?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/03/25 11:30
数々の修羅場を共にくぐり抜けてきた“スガコバ”の2人。原監督は開幕戦を経験豊富なこのバッテリーに託す
いずれにしてもルーキーや2年目、3年目の若手が加わり、先発陣の平均年齢はグッと若返ることは確実。新外国人投手もまだまだ未知数でそれだけ実績のない投手で、ローテーションを組んでシーズンを乗り切らなければならないということでもある。
若手投手たちが爆発的な可能性を秘める一方で、だからこそ大黒柱としての菅野の存在感、安定感がいつにも増して求められるシーズンでもある訳だ。
ただ、その大黒柱が開幕前に遂に完調を思わせるピッチングを見せられないままにシーズンは始まる。ならば打線ではなく、まず菅野の投球を優先してバッテリーを組むことが原監督の決断だった。
そこで結果の出なかったオープン戦3試合でいずれもマスクを被った大城ではなく、2017年には最優秀バッテリー賞も受賞し、気心も知れた“スガコバ”コンビを復活させることを決めたのである。
エースとは結果を残すことでしか、エースたり得ない
菅野の開幕前日会見。
「緊張しています」
こう切り出すと、18日のラスト登板からの1週間の調整を菅野は振り返った。
「いい時間を過ごさないといけないと思っていたので。ただ結果が全てなので、いい時間を過ごせたけど結果が出ませんでしたじゃ、プロの世界じゃ通用しない。しっかり結果を出してこそ『いい時間だった』と言えることだと思います」
やるしかない。エースとは結果を残すことでしか、エースたり得ないし、どんな状態でもそれができることがエースの条件である。
そのことを一番知っているのも菅野のはずだ。
開幕戦はただの1試合ではない。
特に今年の巨人にとっては、勝ち負けとは別に、小林とのコンビで菅野がどんなピッチングを披露するかに焦点が当たるゲームになるはずだ。今年の巨人を占う。今年のペナントレースを占う――その意味でも、この1試合は特別である。
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