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巨人・原監督「キャッチャーが気になるところでしょ、ねっ」開幕戦でまさかの“スガコバ”復活…小林誠司起用の真相はエース・菅野智之に問題が?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/03/25 11:30
数々の修羅場を共にくぐり抜けてきた“スガコバ”の2人。原監督は開幕戦を経験豊富なこのバッテリーに託す
「理由? まあ、非常に何というか……」
「理由? まあ、非常に何というか、彼も原点に戻ってね。取り組む姿勢も含めリーダーシップというものは強く持っている人ですから。さらには大城(卓三捕手)という昨年、ほとんどレギュラークラスで戦っていた選手も発奮材料になるだろうし。本来、小林が持っている力というものに大いに期待をして、明日、開幕をスタートするということです」
これが原監督の小林先発起用への公式の答えだった。
ほぼ1週間前に筆者はこのコラムで巨人の開幕オーダーを予想した記事をアップした。
そこで「開幕マスクは大城卓三捕手で決まったと見て間違いない」と書いたが、その予想は見事に外れた。ただ、現時点でもシーズンを通じた主戦捕手は打力に優る大城になると考えている。
この決断の底にあるのは、エース・菅野智之の問題?
それではなぜ原監督は、開幕でいきなり大城ではなく、小林という選択をしたのか。
実はこれは捕手の問題ではないだろう。この決断の底にあるのは投手の問題、そうエース・菅野智之投手の問題だと読める。
同じく開幕前日の会見で原監督は、シーズンオープナーを任せる菅野への期待をこう語っている。
「彼は経験値という点では、慣れているという言葉は当てはまらないでしょうけれども、最適任者ですから。そこは彼に大いに期待をしたいと思います」
ただ、球団史上最多となる8度目の開幕投手を任される菅野のオープン戦を振り返ると、直前まで完調を感じさせるマウンドはなかった。それどころか過去にないくらいに、不安な内容のスタートとなるのは確実な情勢である。