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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
《ウクライナ危機》マンUとシャルケがロシア企業スポンサー排除、W杯予選で対戦拒否… 世界最強FWの“反戦メッセージ”とは
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byMatt McNulty - Manchester City/Getty Images
posted2022/03/01 11:02
週末の試合でウクライナ国旗と「NO WAR」の文字が記されたシャツを着用するジンチェンコ
「全ての文明国家が僕の国を心配している。僕はここを離れることができないから自分のメッセージを伝えたい。写真に写っているのは僕の国だ。僕が生まれ育った国。僕が国際スポーツの舞台で、その色を守る国。僕たちが美化し、発展させようとしている国。国境を侵すことのできない国。僕の国はウクライナ人のものであり、誰も奪うことはできない。僕たちは絶対に譲るつもりはない! ウクライナに栄光あれ」
その数日後には、のちに削除されたものの、ロシア大統領のウラジミール・プーチンに対しての痛烈なメッセージを投稿した。またマンチェスターで行われている反戦デモにも参加し、ウクライナの一国民として世界に訴えかけている。
ゴール後「NO WAR」のシャツを露出した選手に主審は……
アタランタのルスラン・マリノフスキはELのオリンピアコス戦で2ゴール。1点目を決めた際に「NO WAR IN UKRAINE(ウクライナに戦争はいらない)」と書かれたアンダーシャツを露出させた。
通常ならイエローカードが提示されるシーンだが、カルロス・デル・セロ・グランデ主審は警告を出さず。この行動も含め、多くの称賛を集めている。
ウクライナのフットボール界の英雄で、EURO2020では母国代表を率いたアンドリー・シェフチェンコもInstagramで国際社会への呼びかけを行った(※28日にはロンドンでの反戦デモに参加している)。
「未明、本格的な戦争がロシアによって開始された。私の仲間や家族が攻撃されている。ウクライナと国民は、平和と領土の保全を望んでいる。どうか我々の国を支援し、ロシア政府に侵略と国際法違反をやめるよう呼びかけてほしい。望んでいるのは平和だけ。戦争は答えではない」
戦争に対するメッセージを送っているのはウクライナの人だけではない。ロシア代表FWのフョードル・スモロフもInstagramで真っ黒な写真を掲載し、「戦争はいらない!!!」と訴えた。サッカー以外のアスリートにも反戦を表明している選手が多くいるように、平和を求めているのはロシア国民も同じであることを忘れてはならない。
露企業のスポンサー打ち切り、そしてアブラモビッチは
シェバの投稿の影響もあってか、欧州各国のクラブはロシア企業に対する対応を次々と発表。シャルケが天然ガス企業であるガスプロム社を、ユニフォームの胸スポンサーから除外し、28日に契約を解消。そしてマンチェスター・ユナイテッドはアエロフロート・ロシア航空とのスポンサー契約を打ち切った。
また衝撃を与えたのはロマン・アブラモビッチがチェルシーの管理・運営の権利を、クラブが所有する慈善団体の理事に譲渡したことだ。