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「底知れない恐怖を感じた」ウクライナ危機に巻き込まれたブラジル人選手たち…雪道を25km歩いて国外脱出、二重国籍の選手は戦闘参加も?

posted2022/03/01 11:03

 
「底知れない恐怖を感じた」ウクライナ危機に巻き込まれたブラジル人選手たち…雪道を25km歩いて国外脱出、二重国籍の選手は戦闘参加も?<Number Web> photograph by Future Publishing/Getty Images

2021年12月、CLを戦ったシャフタール・ドネツクのメンバー。ブラジル人選手も多い

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Future Publishing/Getty Images

ウクライナ危機はサッカー界にも暗い影を落としている。時々刻々と変化する状況を配信します(全2回/サッカー界への影響編も)

 2月24日、ロシアがウクライナへ侵攻。極寒のため冬季中断されていたウクライナリーグの再開(翌25日に予定されていた)の延期が発表された。これを受けて、各クラブはそれまで認めていなかった外国人選手の帰国を許可した。

 この日の夜、シャフタール・ドネツク、ディナモ・キエフなどでプレーするブラジル人選手10数人とその家族が、避難中のキエフ市内のホテルで撮影した動画を配信。即時の救出を訴えた。

 CBマルロン・サントス(26、シャフタール・ドネツク)が、「家族を連れてすぐにブラジルへ帰国したいが、空港は閉鎖され、空路では出国できない」と困難な状況を説明。「ブラジル政府に、一刻も早く我々を救い出してもらいたい」と悲痛な表情で語った。

 その横には、2017年からオランダの名門アヤックスで高速ドリブルを武器に活躍し、2018-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)でのベスト4入りに貢献。ブラジル代表にも選ばれ、今年1月にシャフタール・ドネツクへ移籍したばかりのFWダビド・ネレス(24)の呆然とした顔もあった。

 これに対してブラジル外務省は「最も安全な時期に適切な方法で対処する」という声明を発表。ただし、その時期や具体的な方法については言及しなかった。

 その翌日、彼らは再び動画を配信。「すでに食料も水も尽きかけている。ホテルの周辺で頻繁に爆撃や銃弾戦が起きており、生きた心地がしない」と状況が一層逼迫していることを伝えた。

婚約者と雪道を25km歩いてハンガリー脱出

 25日には、ウクライナ西端のウージュホロド(ウクライナ2部)でプレーするMFジョナタン・リマ(30)が婚約者と共に25kmの雪道を歩いてハンガリーへ脱出した。ブダペスト空港から空路でブラジルへ帰国する予定という。

「身の回りの物だけを持ち、大急ぎで逃げてきた。まるで戦争映画の中に紛れ込んだみたいで、最初は現実感が湧かなかったが、次第に底知れない恐怖を感じた」と語りながらも、安堵の色を見せた。

 リマは、ブラジルの中小クラブなどを経て、1月下旬にウクライナへ渡ったばかり。「もうウクライナには戻りたくない。クラブとの契約を解除する」と語った。

【次ページ】 ウクライナ国籍を取得したため国外に出られない選手も

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