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柳田悠岐の“110食うどん振る舞い”も対策下で、ファン公開→非公開も…自主トレでコロナ直撃のソフトバンク、“キャンプイン”はどうなる?
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph bySankei Shimbun
posted2022/01/19 11:01
佐賀県嬉野市で合同自主トレを行ったソフトバンク柳田と日本ハム清宮
「改めてとなりますが、選手たちはルール付けがなくとも各々感染対策を講じて、自覚ある行動もとっていたと思います。それでも陽性判定が出る結果となりました。感染力の強さを思い知らされました」(井上室長)
状況が見通せない“2月1日のキャンプイン”
最後に(5)の部分だ。プロ野球のキャンプインが刻一刻と迫っており、選手たちは自主トレの最終段階に入るところだった。
陽性者は無症状の場合でも、療養解除されるには一定の条件や期間などが必要となる。その間は外出できず、かなり限られたトレーニングしか行えない。
2月1日のキャンプ初日をどのような状況で迎えられるか、現時点では不透明としか言いようがない。ホークスの場合、藤本博史新監督が「シート打撃や紅白戦を昨年までより前倒しする」と打ち出しているが、現時点で球団から7名が陽性判定を受けており、先行きが見通せない状況となっている。
感染者数が増加すればチーム練習へも影響
また、柳田や松田たちは、それぞれの自主トレ組から一部発熱など体調不良者が出たために、その場の全員が検査を行ったことで陽性が発覚したとの経緯がある。先述したとおり、オフ期間はPCR検査自体を行っていない者は少なくないだろう。
ただ、当然ながらキャンプ地入りする前には、各球団の全選手、首脳陣、スタッフらがPCR検査を実施する旨が既にNPBから通達されている。もしかしたら、それで球界内の陽性者数が爆発的に増えるかもしれない。仮にそうなれば、各選手の調整のみならずチーム練習に影響が出るのも必至だ。
そして、NPBの斉藤惇コミッショナーは今月11日の段階で、春季キャンプ地の開催自治体と大声を出さないことを条件に2万人以下の有観客で行うことで合意していたと明かした。賛否両論だろうが、様々な局面を乗り越えてようやくここまでたどり着いたのだ。また寂しい客席に戻るとなれば、筆者個人としては残念な気持ちというのが正直なところだ。
果たして、どんな「プロ野球の正月」を迎えることになるのだろうか。