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「ミナミノは大きな仕事をしてない」批判に奮起…南野拓実27歳バースデー弾 「背中に乗れよ」フィルミーノらの祝福、続く正念場
posted2022/01/18 17:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFP/AFLO
リバプールには、微笑ましいイベントがある。
誕生日を迎える選手のために、練習やミーティングの前にチームみんなでバースデーソングを歌うのだ。面白いのは、世界各国の言葉で誕生日ソングを歌うこと。「多国籍軍リバプール」ならではの光景だ。イングランド勢が「ハッピーバースデー、トゥーユー」と口ずさめば、スペイン人たちはスペイン語バージョンで、誕生日の選手を祝うのである。
その輪の中心にいるのが、ユルゲン・クロップ監督だ。「よし、次はボビー(=ロベルト・フィルミーノ)だ」と指示を出せば、ブラジル代表FWのリードで、ポルトガル語圏の選手たちが合唱する。この間、周りの選手は手拍子で盛り上げる。もちろん、日本人の南野拓実も例外ではない。「誕生日おめでとー」と歌い上げると、選手たちは大きな拍手を送る。クロップ監督を中心に、リバプールの団結力と一体感が伝わってくる一コマだ。
1月16日は、南野の27歳の誕生日だった。同日に行われたプレミアリーグのブレントフォード戦に備え、選手たちは試合前日からリバプール近郊のホテルに宿泊した。そして、日本代表FWを祝福するバースデーソングで、試合日をスタートしたという。クロップは、まるで熱血教師のように語る。
「今日は、(所属選手の)それぞれの言葉でタキのためにバースデーソングを歌った。歌で1日をスタートした。素晴らしかったよ。試合前の時点で、バースデーソングがタキに力を与えていたんだ」
フィルミーノが「背中に乗れよ」と
南野はこの試合で後半29分から途中出場を果たし、今季通算6点目のゴールを挙げた。
ゴールが生まれたのは、投入から3分後。南野が前線から敵にプレスをかけると、相手GKがパスミス。ボールを奪ったフィルミーノはシュートを選択することもできたが、南野の足元にラストパスを送った。日本代表FWは、冷静にゴール右へ流し込んだ。
得点後、「背中に乗れよ」と自身の背中を指差すフィルミーノ。南野は飛び乗り、自分の背丈よりもほんの少し高い位置でゴールを祝った。すると、この日が南野の誕生日であることを知っているチームメートたちが次々と駆け寄り、日本代表に祝福の言葉をかけた。
南野の積極的なプレスが呼び込んだゴールだったが、シュートではなく咄嗟にパスを選んだフィルミーノの友情も感じ取れるシーンだった。