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「ミナミノは大きな仕事をしてない」批判に奮起…南野拓実27歳バースデー弾 「背中に乗れよ」フィルミーノらの祝福、続く正念場
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFP/AFLO
posted2022/01/18 17:00
アーセナル戦で批判にさらされた南野拓実だが、27歳のバースデー弾をゲットした。今後もゴール量産となるか
というのも、フィルミーノも喉から手が出るほどゴールが欲しい状況にあるからだ。フィルミーノは国内リーグで10月16日のワトフォード戦から3カ月も得点がなく、3トップのレギュラー争いでディオゴ・ジョタに遅れを取っている。
それでも、フィルミーノはパスを選んだ。その理由は「南野のバースデー」だけでなく、試合後に語ったアンドリュー・ロバートソンの言葉に隠されている気がしてならない。スコットランド代表DFは次のように話した。
「3日前のアーセナル戦でのタキ(南野)のチャンスについて、いろいろと多く言われている。もちろん決めるべきだったし、彼自身も決めないといけなかったと分かっている。だが、ストライカーがチャンスを外したときに大事なのは挽回すること。今日はそれをやってくれた。彼のゴールの中では簡単な部類だったかもしれない。
でも、タキのプレスとボビー(フィルミーノ)の判断は良かった。タキが決めてくれて本当にうれしい。誕生日のゴールというだけでなく、チームでの頑張りが報われたからね。ストライカーにとって、ゴールを決めること以上に感情が高まることはない。自信につながるはずだ」
アンフィールドでフラストレーションのたまるドロー
ロバートソンの言う「3日前のチャンス」とは、13日に行われたリーグ杯準決勝・第1戦アーセナル戦での痛恨のシュートミスのことだ。
0-0で迎えた後半44分、南野はフリーの状況で右足を振り抜いたが、無情にもシュートはバーの上を大きく超えていった。前半24分に対戦相手のアーセナルに退場者が出るアドバンテージを手にしながら、リバプールは最後までネットを揺らせなかった。そして、この試合で先発フル出場を果たした南野も、3試合続いたリーグ杯での得点記録がストップ。チーム最大の決定機を逃した上に、結果を残せなかった無念さから、試合後は肩を落として通路口に消えていった。
アンフィールドの住民たちも似たようなリアクションだった。選手たちの奮闘を拍手で讃えたKOPスタンドのサポーターは少数派で、多くのファンがホイッスルと同時にスタジアムを静かに後にした。
対照的に、大きな歓声を上げたのはアウェーマッチに駆けつけたアーセナルのサポーター。前半に数的不利に陥りながら粘り強い守備で0-0に持ち込んだ選手たちを称えると、お返しにと言わんばかりに、ベン・ホワイト、キーラン・ティアニー、ガブリエウ、ブカヨ・サカが次々とユニホームをスタンドに投げ入れた。
アーセナルにとっては価値ある引き分け、対するリバプールと南野にはフラストレーションのたまる一戦だった。