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「ミナミノは大きな仕事をしてない」批判に奮起…南野拓実27歳バースデー弾 「背中に乗れよ」フィルミーノらの祝福、続く正念場
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFP/AFLO
posted2022/01/18 17:00
アーセナル戦で批判にさらされた南野拓実だが、27歳のバースデー弾をゲットした。今後もゴール量産となるか
アーセナル戦後、南野は批判にさらされた
アーセナル戦後、南野は批判にさらされた。決定機をものにできなかった日本代表に懐疑的な眼差しが向けられるようになったのだ。現役時代にリバプールやトッテナムでプレーした元アメリカ代表GKブラッド・フリーデルは次のように語った。
「アフリカ選手権への参加でモハメド・サラーとサディオ・マネが最大で1カ月いなくなり、クロップ監督も心配していると思う。この2人は間違いなく不可欠な存在で、特にサラーは現時点で世界最高の選手だ。リバプールにとって、彼らがいないのは実に悩ましいはずだ。実際、試合終了間際に南野が最大の得点チャンスを掴んだが、決められなかった。あの場面もおそらくサラーやマネならネットを揺らし、仕事を完遂していたはずだ」
スポーツメディアの『アスレティック』でリバプール番を務めるジェームズ・ピアース記者は選手補強の必要性まで言及した。
「フィルミーノ、ジョタ、南野で3トップを編成した。このフロント・スリーはサラーとマネのいない状況ではベストの組み合わせのはずだが、輝きを放てなかった。スピード、身体能力、相互理解のすべてが不足した。アーセナルにとっては、そう難しいタスクではなかったはずだ。このような試合をすると、必然的に選手補強にスポットライトが当たるようになる」
「主力と控えの比較論」に加え、ひとつの試合結果からすぐに「選手補強」まで話が飛び火するのは、まさしくビッグクラブの宿命と言える。クラブOBのジェイミー・キャラガーにいたっては「ミナミノはリバプールのシャツを着て、まだ大きな仕事をしていない。ミスの場面はリバプールでのキャリアそのもの」とまで言い放った。
おそらくこうした批判を、リバプールの選手たちも少なからず耳にしたり、目にしていたのだろう。一連の流れを踏まえると、フィルミーノがシュートではなく、パスを選んだ理由が朧気ながら見えた気がした。
復帰から2試合、コンディションは万全ではなかった
南野のプレーにフォーカスすると、復帰からの2試合は故障明けによるコンディション不良の影響が多分にあった。
筋肉系の怪我で年末年始の試合を欠場し、9日に行われたFA杯3回戦シュルーズベリー戦(英3部)で戦列に復帰した。しかしこの試合後、クロップ監督が「タキは故障から復帰してまだ練習を2回しかしていない。この試合もリハビリの一部のようなもの」と説明したように、見るからに精彩を欠いた。
復帰2戦目のアーセナル戦も万全ではなかった。