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<独占インタビュー>「治療は家族にとって大きな負担だった」メッシが明かす“ホルモン分泌異常”と13歳での故郷との別れ
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/12/15 17:00
獲得した7つのトロフィを前に笑顔のメッシ。インタビューでは、ありのままに心境を語った
1.謙虚さについて
――あなたはロサリオの庶民的な地区でふたりの兄と妹とともに育ちました。父親は工場で働き、母親があなたがた4人の子供の面倒を見ていました。子供のときに両親から受けたもので、最も強く残っているのは何でしょうか?
「僕の家族は労働者階級に属していた。父は一日中働き、僕らが住んでいたのは庶民が暮らす街だった。でも何かに困ったことはなくて、それは神に感謝している。
両親は僕らに他人を敬うことを教えた。それから勤労の精神と謙虚さもだ。そうした価値観のなかで僕は育った。13歳でバルセロナに行ったときも、同じ価値観を僕はクラブで見出した。ラ・マシアで僕が教えられたのも、まさにそれだったからだ」
――あなたがパリ・サンジェルマンに入団した際に、ネイマールは自分の背番号10をあなたに譲ろうとしました。受け取らなかったのはどうしてですか?
「10番は彼のものだったからだ。僕はクラブでは新人で、チームの力になるためにやって来た。それなのに背番号を譲ろうとするなんて、本当に凄いことだと思った。バルサで一緒にプレーをして、ネイ(ネイマールの愛称)のことはよく知っているから彼らしいとも感じた。でもここでは、彼が10番をつけるべきだと思ったから、僕は別の好きな番号(30番)を選んだんだ」
――パルク・デ・プランスでのCLマンチェスター・シティ戦(9月28日、2対0でPSGの勝利)では、相手フリーキックの際に味方の壁の後ろに寝ころびました。「あんなことをメッシにやらせるべきではない」という批判も多くありましたが……。
「あのときはそうすることが必要だった。勝利に近づいていたとき(アディショナルタイム)で、壁の下をカバーする選手が他に誰もいなかった。僕がそこにいたから寝転がったわけで、結局のところ何も起こらなかった。でも結果を得るためには、誰もが何かで貢献しなければならないだろう」