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「医師からは引退勧告もされました」“2度の大ケガ”を味わったFW宮市亮28歳は今…初のJリーグ挑戦で「想像以上にJのレベルは高い」
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byY.F.M.
posted2021/10/30 11:04
今年7月に横浜F・マリノスへの加入した宮市亮(28歳)。なぜ新天地に日本を選んだのか、そして初めてのJリーグで何を感じているのか……率直に話してくれた
「(Jリーグは)想像していた以上にレベルは高いですし、試合のテンポも早く、とくにF・マリノスは練習から強度の高い練習をやっていて、頭の回転を速くしないとついていくのも難しいです。ドイツにいたときは練習が止まって、監督が指示を出してまた動くみたいなこともあったんですが、F・マリノスではほとんど止まることがないですし、水分補給もパッとやるみたいな。公式戦はまだ1試合しか経験していないので外から見た印象ですが、レフェリングは少し違うかなとは思います。ただ、欧州の方が(パワーやスピードなど)フィジカル面は上かもしれませんが、テクニカルな面では日本の方が上。両方経験した僕に言わせると、同じ人間がプレーするわけですし、どちらもそれほど大きな違いは感じません。チームメートからも海外リーグのことについて聞かれたときは、そう答えています」
「新幹線はちゃんと定時にきますし(笑)」
10年以上、欧州でプレーしてきただけに環境面での戸惑いがあっても不思議ではない。
「夏の暑さは多少キツかったですが、環境面もJリーグは本当に整っていると思います。F・マリノスはいま練習場を転々とする状況ですが(※22年に横須賀市に専用施設が完成予定)、雨が多くグニャグニャにぬかるんだ欧州の芝に比べると、ピッチコンディションは遥かにいいですし。練習後の食事もサンドイッチじゃなく、しっかりケータリングが用意されたりして、たとえばスパイクの管理ひとつにしても選手ファーストなのを実感しています。
それに日本では移動の際の新幹線はちゃんと定時に出ますし、どこにいても少し歩けばコンビニがあって、美味しい食事ができます。ドイツにも日本食レストランはありましたが、やっぱり日本のお店とは違いますからね(苦笑)」
もう1つ気になることがある。かつて50メートルを5秒台で走るともいわれた自慢のスピードに衰えはないのだろうか。
「そこに関してはいまも自信を持っています。ただ、タイムはしばらく計っていないですし、あまり言うと陸上界から怒られるので(笑)」
決して高い目標などを口にすることはなかったが、宮市のその明るい表情から日々充実して練習に打ち込めている様子は伝わってきた。ボールを蹴れるだけでも幸せ――、そう話す宮市が、今後Jの舞台でどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。<後編に続く>
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