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CLで南野拓実はベンチだったけど… 間近で笑うサラー、クロップvsシメオネを撮影したカメラマンが見た「名将の駆け引き」
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/10/23 11:01
レフリーに注文をつけるシメオネ監督。クロップ監督との丁々発止のやり合いにも名将感が漂っていた
写真で見てわかるグリーズマンの位置取りの巧さ
2点を奪われたことでアグレッシブさを取り戻したアトレティコが攻め立てます。グリーズマンからの浮き玉にカラスコが飛び込みますが、アレクサンダー・アーノルドが寸前でカットしました。
そしてリバプールの2点目から7分後、コケのライナー性のパスをグリーズマンがダイレクトでゴールに流し込みました。写真で見てみると、GKの前にいたグリーズマンが常に動いてポジションを取っているのが分かりました。
早い段階で反撃の狼煙を上げられたことで、会場の雰囲気も、選手たちの士気も一気に盛り返したように感じていました。
アトレティコが1点を返した直後、南野を含めた3人がアップに入りました。
ピッチ内に目を戻すと、ジョアン・フェリックスの元へと徐々にボールが集まるようになり、存在感を高める場面が。その中でグリーズマンに決定機が訪れますが、アリソンが立ちはだかりました。
それでもアトレティコの勢いはとどまりませんでした。フェリックスがケイタの激しいプレスをかわして前進、4人に囲まれながらもグリーズマンにパス。グリーズマンが見事なトラップから滑り込むようにシュートで2得点目。前半のうちに同点に追いつきました。スアレスをベンチに置きながらも、この日の2トップが大仕事をしました。
さらに攻勢に出るアトレティコ。フェリックスが抜け出して強烈なシュートまでいきましたが、GKに阻まれます。
右サイドのルマーやデパウルも攻め込みますが、リバプールも必死で防いでいきました。
後半に入って最初のチャンスはリバプールに巡ってきました。アレクサンダー・アーノルドの正確なCKをマネがヘッド。こぼれ球にはフィルミーノとサラーが詰めていきました。
お互いにチャンスを作る好ゲームでしたが、後半開始早々、グリーズマンの高くあげた足が、フィルミーノの顔に入ってしまいました。意図的ではなかったものの、レッドカードで退場に。この判定が試合のターニングポイントとなりました。
数的優位になったリバプールが攻勢に出ます。交代で入ったチェンバレン、ジョタと積極的に攻撃に絡みます。それでも、アトレティコもすんでのところで、粘り強く跳ね返し続ける展開となりました。
必死に防戦していたアトレティコでしたが、78分、エルモソがジョタを倒してしまいPKを献上。判定に納得のいかないアトレティコの面々は抗議したものの、レフリーは眼を指差し、見ていたとアピールしていたのが印象的でした。
PKを蹴るのは1点目を決めているサラー。これを見事にゴールに流し込み、結果的に決勝点となりました。
直後、アトレティコは4枚替えで勝負に。その直後、アトレティコにもPK判定がくだされましたが、VAR判定の結果、PKは取り消しに……。