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《ドラフト採点》セ・リーグは森木&小園の“超高校級”を獲得した阪神とDeNAが「75点」、では低評価は?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph bySankei Shimbun
posted2021/10/12 17:03
高校生ナンバーワンと評された小園健太はDeNAが交渉権を獲得。抽選を外した阪神は同じく“超高校級”と謳われる森木大智を指名した
読売ジャイアンツ 60点
チーム防御率3.60(10月11日現在)はリーグ4位。この弱体投手陣の建て直しをテーマに7人中6人が投手という極端な指名となった。
2位の左腕・山田龍聖(JR東日本)、3位の右腕・赤星優志(日本大)は即戦力候補と言えるが、1位翁田大勢(関西国際大)は4年春まで9試合の登板しかなく、即戦力候補と言えるだけの経験値はない。スリークォーターから投げる最速157キロのストレートを武器にし、適性はリリーフにありそうだが、素質の開花まで2、3年はかかりそうだ。
一方、山田と赤星は先発タイプ。山田の腕の振りは巨人では数少ないオーバーハンド。赤星は最速152キロを見せ球にし、四隅を突く緻密なコントロールに持ち味がある。
下位指名で注目したのは7位花田侑樹(広島新庄高)。まだ体が細いが、ムダのない投球フォームから投じられる球筋のきれいなストレートは体格の向上とともにスケールを増していきそうだ。
《指名一覧》
× 隅田 知一郎・投手(西日本工大)左左
1位 翁田 大勢・投手(関西国際大)右右
2位 山田 龍聖・投手(JR東日本)左左
3位 赤星 優志・投手(日本大)右右
4位 石田 隼都・投手(東海大相模高)左左
5位 岡田 悠希・外野手(法政大)右左
6位 代木 大和・投手(明徳義塾高)左左
7位 花田 侑樹・投手(広島新庄高)右左
育1位 鈴木 大和・外野手(北海学園大)右右
育2位 高田 竜星・投手(BC・石川)右右
育3位 亀田 啓太・捕手(東海大)右右
育4位 笹原 操希・外野手(上田西高)右右
育5位 鴨打 瑛二・投手(創成館高・左左
育6位 菊地 大稀・投手(桐蔭横浜大)右左
育7位 京本 眞・投手(明豊高)右右
育8位 富田 龍・投手(四国学院大)左左
育9位 川嵜 陽仁・投手(誉高)右右
育10位 大津 綾也・捕手(北海高)右右
左腕を狙いづつけた広島
広島東洋カープ 60点
隅田、山下を抽選で外した広島は、外れ外れ1位でも大学生左腕の黒原拓未(関西学院大)を指名した。2位にも社会人左腕の森翔平(三菱重工West)と徹底的に左腕を狙い打ちしたが、チーム内には先発ローテーションを形成する床田寛樹、玉村昇悟、高橋昂也がいて、森浦大輔、塹江敦哉も将来が嘱望される投手も揃っている。
野手は若手に充実した陣容を揃えているため、投手中心の指名に舵を切ったようだが、これほど極端に走らなくてもよかったと思う。
3位中村健人(トヨタ自動車・外野手)、4位田村俊介(愛工大名電高・外野手)、6位末包昇大(大阪ガス・外野手)、7位高木翔斗(県岐阜商高・捕手)は体格的スケールとともにバッティングの迫力でも目を引く。鈴木誠也がメジャーリーグ志向を発信しているので、その後継者探しが活発化したのかもしれない。
《指名一覧》
× 隅田 知一郎・投手(西日本工大)左左
× 山下 輝・投手(法大)左左
1位 黒原 拓未・投手(関学大)左左
2位 森 翔平・投手(三菱重工West)左左
3位 中村 健人・外野手(トヨタ自動車)右右
4位 田村 俊介・外野手(愛工大名電高)左左
5位 松本 竜也・投手(ホンダ鈴鹿)右右
6位 末包 昇大・外野手(大阪ガス)右右
7位 高木 翔斗・捕手(県岐阜商高)右右
育1位 新家 颯・投手(田辺高)左左
育2位 前川 誠太・内野手 (敦賀気比高)右右
育3位 中村 来生・投手(高岡第一高)右左
育4位 坂田 怜・投手(中部学院大)右右