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“防御率ワースト”DeNAの1位指名は? 広島2位は待望の“右打ち大砲候補”…ドラフト全指名予想【DeNA・日ハム・広島編】
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2021/10/10 11:01
ドラフト目玉候補の廣畑敦也投手(23歳・三菱自動車倉敷オーシャンズ・177cm83kg)
“防御率ワースト”DeNAの1位指名は?
〔DeNA 2021年ひとりドラフト指名選手〕
1位 廣畑敦也 23歳 投手 三菱自動車倉敷オーシャンズ 177cm83kg 右投右打(日本ハムとの抽選に勝利)
2位 桐敷拓馬 22歳 投手 新潟医療福祉大 178cm90kg 左投左打
3位 高木翔斗 18歳 捕手 県立岐阜商高 186cm90kg 右投右打
4位 阪口樂 18歳 一塁手 岐阜一高 188cm90kg 右投左打
5位 前川誠太 18歳 遊撃手 敦賀気比高 178cm68kg 右投右打
6位 中村来生 18歳 投手 高岡一高 190cm78kg 右投右打
〔DeNA 総評〕
ドラフト2位のルーキー・牧秀悟内野手が3番に定着して、打率.290、21本塁打……そんな明るい話題があったこともあって、横浜DeNAが最下位という現実が、正直あまりピンと来ない。
しかし、現実を見るとチーム防御率4.27はセ・リーグどころか、12球団ワーストで、首位ヤクルトに15ゲーム差をつけられた最下位。逆にチーム打率.258、チーム得点500点、127本塁打はいずれもリーグ2位。
ドラフトに臨む「姿勢」は、おのずと決まってくる。
隅田知一郎(西日本工業大)とどちらか迷ったが、重複を嫌って廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)を指名したら、よもやの日本ハムとの重複。50%の確率を突破して、最下位とはいえ、「勝負運」はまだ残っているようだ。
150キロ前後の速球にカットボール、カーブ、スプリットを交えた投球で、この1年コンスタントな投球を続けてきた事実は高く評価してよい。
来季の頭からのローテーションの一角を期待しての指名だ。
2位はウェーバーの先頭として、桐敷拓馬(新潟医療福祉大)を指名。ネームバリューは低くても「繰り上げ1位候補」に挙げていた球団もあったほどの実力者だ。
150キロ左腕はツーシームとフォークの動きも鋭く、何より、コントロールが安定しているのが大きなアドバンテージ。今永昇太、東克樹がカムバックして、以前のような「左腕王国」を再度結成する。
3位・高木翔斗(県岐阜商)、4位・阪口樂(岐阜一高)が、ここまで残っていようとは……。飛びつくように指名する。
高木は右の大砲候補、阪口は左の大砲候補。高木には将来のレギュラーマスクの夢までかかる。甲子園でもスケールの大きな攻守を展開し、大器のムードを漂わす。今春以降、本調子にほど遠かった阪口なので、他球団が指名をためらったのだろうが、あの長良川球場のライト場外に消えていった放物線は忘れない。きっかけさえ掴めば、「ホームランキング」の可能性すら秘める。
父親に社会人野球の怪腕を持つ5位・前川誠太(敦賀気比)は快足の遊撃手だ。柔軟かつスピードあふれる身のこなしは、彼にしかできない動きのメカニズム。2019年1位の森敬斗遊撃手が一軍に定着しつつあるが、彼にとっても油断できないライバルになろう。前川二塁手との二遊間コンビ結成という展開もある。
6位・中村来生(高岡一高)は5年先を見通した未完の大器だ。
長い手足をしならせて投げ込む角度が魅力。190cmの長身でもボディバランス抜群のランニングフォームでスピードもあり、大成に必要な身体能力を持っている。