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巨人「中5日ローテーション」は失敗なのか? 原辰徳監督の信念「誰かが成功させれば、それがスタンダードに」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2021/09/27 17:25
ローテーションに慣れてきたのか、9月22日に戸郷は3カ月ぶりの勝利をあげた(写真は6月撮影)
プラス材料は右肘の不安で離脱していたクローザーのチアゴ・ビエイラ投手が復帰し、7、8回を相手の打順を見ながらルビー・デラロサ投手とサウスポーの中川皓太投手でセットアップして、最後のビエイラにつなぐ形が戻ってきたことだろう。
問題はむしろエンジンのかかりが遅い打線の方だが、どん底だった丸佳浩外野手に少しずつ復調の気配が見えてきていること、また右手中指の骨折などで7月から戦線離脱していた梶谷隆幸外野手が二軍戦で実戦復帰し、数日中には一軍登録できるところまできていることが、少し見える光明だろうか。
原監督「誰かが成功させると、それがスタンダードになる」
「それまでの常識や通例を最初に変えようとすると失敗もあるし、そうそう簡単にはいかない。周りからは批判されたり、笑われたりするかもしれない。でも、誰かがそれを成功させると、それが次にはスタンダードになっていく。大事なのは固定観念にとらわれずに、可能性を引き出してチャレンジしていくことだと思っている」
原監督のチーム作り、チーム運営の信念だ。
中5日で先発を回していくことも、決して急場凌ぎの思いつきではない。今現在のチーム状況を考えた末に最良と判断した上での選択であり、将来的にこの中5日のローテーションを巨人のスタンダードにして「強い投手陣」を作っていくという信念に基づいたものでもあるのだ。
それは決して無謀な挑戦ではない。
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