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巨人「中5日ローテーション」は失敗なのか? 原辰徳監督の信念「誰かが成功させれば、それがスタンダードに」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2021/09/27 17:25
ローテーションに慣れてきたのか、9月22日に戸郷は3カ月ぶりの勝利をあげた(写真は6月撮影)
「中5に慣れていないから調整が難しいんです」
そういう意味では投手が中5日で先発することが、パフォーマンスを落とす決定的な要件ではないと言えるはずなのである。
しかも今年は、東京五輪の期間にペナントレースの中断期間があり、その間に前半戦の疲れはある程度解消されて、リフレッシュされた状態で8月13日のシーズン再開を迎えているはずである。
「中5(日での先発)に慣れていないから調整が難しいんです」
こう語っていたのは評論家の江本孟紀さんだった。
どの投手もこれまでずっと中6日のローテーションを基本に調整法を作ってきている。そのため急に中5日で回り出すと、この1日の短縮分の調整方法が試行錯誤になって、なかなかうまくいかないケースがある。
実際問題として4回り目となる21日からの6連戦では山口が6回途中まで無失点、戸郷が7回を無失点、高橋が6回を無失点と立ち上がりの悪さを解消。阪神戦でもメルセデスが3回3失点、山口が3回途中1失点でそれぞれ降板しているものの、菅野は8回途中で3失点降板したが、6回を無失点に抑えてゲームはしっかり作っている。
宮本コーチは「変わらずに行きたい」
それぞれが間隔に次第に順応して、中5日でもゲームをしっかり作れる形になってきていることが見てとれる。
「変わらずに行きたいですね。いま、我々のベストメンバーだと思っていますので。このメンバーで何とか耐えるしかないですね」
26日の阪神戦後に、宮本投手チーフコーチは改めて今後も投手陣は中4日と中5日でローテーションを回していくことを明言した。
先発陣が100球で5回から6回までゲームを作り、そこから継投で白星をしっかり拾っていく。それが残された20試合余りで巨人が逆転優勝に向けて描くシナリオである。