プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人「中5日ローテーション」は失敗なのか? 原辰徳監督の信念「誰かが成功させれば、それがスタンダードに」
posted2021/09/27 17:25
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
やはり無謀ということなのだろうか。
「今週から詰めたいなと思います。もう全員です。中5計画を持ってやりたいと思います」
巨人・宮本和知投手チーフコーチが先発投手を中5日で回す構想を語ったのは、五輪ブレーク明けに6番目の投手として期待されていた直江大輔投手が登録を抹消された直後の8月30日のことだった。
早速、翌々日の9月1日のヤクルト戦に中5日で菅野智之投手が先発。そこから山口俊、戸郷翔征、高橋優貴、C.C.メルセデスの5投手が中5日を基本としたローテーションで巨人の先発マウンドに上がり続けてきた。そして6試合が組まれる週には火曜日に投げた投手は日曜日に先発する、更に日程を詰めた中4日での先発も実施されてきた。
結果は芳しくない。
中5日が「失敗だった」という声が飛ぶ
中5日ローテーションを採用してからのチーム成績は、9月26日までの22試合で6勝11敗5分け。順位は9月1日時点では2位の阪神に0.5ゲーム差の1位だったが、いまは首位のヤクルトと2位の阪神に4ゲーム差の3位まで落ちて、26日時点で自力優勝も消滅した。
この結果に、中5日での先発起用が失敗だったという声が飛んでいるのは事実だ。
そもそもこの先発陣の中5日での起用は原辰徳監督が早くから描いていた構想の一つだった。
「もっと強い投手を作りたい」
3度目の監督に復帰した直後から、盛んに現在の日本の主流となっている週1回、中6日で100球をメドにした登板に対して異を唱えていた。
「中6日なら球数は130球くらいは投げてもらわないと」
「中6日で先発するのはいいけど、ならば球数は130球くらいは投げてもらわないとね。投球数が100球なら、それじゃあ登板間隔は中6日じゃなくて中5日でいけないと。先発投手にはそれくらいの強さが欲しい」