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「タキは大丈夫だ」クロップが信頼のハグ… リバプール南野拓実の「密猟者」な2ゴールと進化した《プレミア仕様のお尻と太もも》
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byJohn Powell/Getty Images
posted2021/09/24 17:02
今季初の公式戦で2ゴール。南野拓実らしい巧みな動き出しと、注目したいのは肉体の進化だ
リバプールでの公式戦デビューを飾ったエバートン戦時(20年1月)に比べると、大殿筋を中心に尻まわりが大きくなったと感じた。
イングランド代表のFWラヒーム・スターリングもそうだが、南野の大殿筋もキュッと上にあがっている。お尻から太ももにかけて明らかに逞しさが増した。
その影響は「球際での粘り強さ」や「守備対応」につながった。
ボールロストの回数が以前よりも減った
前半19分には体を入れてボールを奪取。この場面ではファウルを取られて成功しなかったが、後半33分にはスライディングタックルでボールを奪い切り、自軍の攻撃につなげた。敵にガツンと寄せられてボールをロストする場面はあったが、逆にどうにか持ち直して、チャンスにつなげるシーンもあった。ボールロスト自体も、その回数は以前に比べると減った。
下半身を支える役割を持つ大殿筋を強化すると、瞬発力や切り返しにも鋭さが出てくると言われる。
過去には、サウサンプトンでプレーした吉田麻也が、当たりの激しいプレミア移籍を機に体重を8キロ増やした。また、レスターに在籍した岡崎慎司も肩から胸、上腕付近の筋肉を鍛え、体重を3キロほど増やした。南野の体も、プレミア仕様に仕上がってきた印象だ。
現役DF「サラーとマネの壁は高い。だが……」
2ゴールと結果を残し、アピールに成功した。それでも、モハメド・サラーやサディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョタといったレギュラー陣には、まだ追いついていない。今後も、試合に出たり、出なかったりの状況はしばらく続くだろう。
過去にWBAやアストンビラでプレーし、現在はダービー・カウンティー(英2部)に在籍するイングランド人DFカーティス・デイビスは、南野について次のように語った。
「2ゴールという結果は、南野にさらなる自信を与えるはずだ。昨シーズンの後半戦、リバプールが南野をレンタルに出したのは思い切った行動だった。南野はサウサンプトンでよくやっていたし、実戦経験を積んだという点で成果もあった。プレミアリーグでやっていく自信がついただろう。ただ、リバプールでのウィングのレギュラーは、モハメド・サラーとサディオ・マネであることに変わりはない。彼らの壁を打ち破るのは相当難しいだろう。
だから、同じ選手の立場として言えば、今回のような出場チャンスでゴールを決め切ることは本当に大事。難しい状況に置かれていると思うが、この2ゴールで南野に風が吹いてほしい」