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《北京五輪シーズン到来》“金銀銅メダル”獲得から4年、エース高木美帆の変貌…同学年&五輪連覇の川井梨紗子の言葉に「改めて考えさせられた」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2021/09/28 11:04
北京五輪シーズン到来。高木美帆がレスリング・川井梨紗子から得たヒントとは
実力的には3種目で優勝を目指せる
東京五輪。川井は勝ちに行って勝った。今や名レスラーの風格が漂うようになったのは、胸を張って「やった」と言えるプロセスと崇高な心構えがあったからだろう。
普段は具体的な目標を口にすることの多くない高木だが、世界での立ち位置を整理すると挑むレベルは極めて高く、女子1000m、女子1500m、女子チームパシュートの3種目で優勝を目指せる実力がある。書けばさらっとしてしまうが、とてつもないことだ。
1000mは平昌五輪で銅メダルを獲得し、19年ワールドカップでは世界歴代2位の1分11秒71で銀メダル。平昌五輪で銀メダルだった1500mは最も思い入れのある種目であり、1分49秒83の世界記録保持者でもある。平昌五輪で金メダルに輝いたチームパシュートは19、20年の世界距離別選手権を制している。
北京五輪で「積み上げてきたことを最大限発揮できたら」
昨シーズンの国際大会出場がなかった今、世界の動向がどのようになっているのか読めないという不安もある中、勝つためのプランを練り、自分自身を鍛え上げ、プランを完遂することは至難の業。そういう意味で、高木が言う「勝ちに行く」という心構えを持つことは、究極のチャレンジに他ならない。
「北京五輪で自分が今まで積み上げてきたことを最大限発揮できたらどうなるんだろうというような興味がありますね」
そのように「好奇心」をふくらませる高木の今季初戦は、10月22日から長野・エムウェーブで行なわれる全日本距離別選手権。どんな滑りを見せてくれるのか、楽しみだ。