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偉大な先輩・小平奈緒の「おまじない」が五輪好記録を後押し…スピードスケート山田梨央“極度に緊張する性格”をほぐした「応援しちゃダメ」!?
posted2026/03/11 17:01
ミラノ五輪スピードスケート代表の山田梨央。遅咲きの彼女を力付けていた偉大な先輩・小平奈緒との秘話を追った
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
日本が史上最多24個のメダルを獲得したミラノ・コルティナ五輪が閉幕してから約2週間強。日本勢の大活躍が思い出される中で、ほろ苦い結果に終わる選手が少なくなかった競技もあり、スピードスケートはそのひとつだった。
その中で持てる実力を十分に発揮したのが女子短距離の山田梨央だ。28歳の苦労人が見せた、滑り終えた後のすがすがしい表情や明るい口調は、今もはっきりと思い出せる。
“緊張しい”の山田にかけられた“おまじない”
大会第4日の2月9日にあった女子1000mで7位入賞。15日の女子500mでは入賞こそならなかったが8位と0秒03差の9位。社会人6年目で五輪デビューを果たした遅咲きのスケーターは自他ともに認める“すぐに緊張してしまうタイプ”であるにもかかわらず、なぜ大舞台で伸び伸びと滑ることができたのか。背景にあったのは特別な人がかけてくれた、一風変わった“おまじない”だった。
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それは山田が1000mに出た後のことだった。憧れのあの人から「拍手」が届いた。自身のインスタに載せた投稿に、18年平昌五輪女子500m金メダル、同1000m銀メダルの小平奈緒さんが「イイね」の拍手をつけてくれたのだ。
山田にとって小平さんは、結城匡啓監督が率いる「信州大学チーム」の直属の大先輩。それにしても、無言の拍手がなぜそんなに“イイ”のか?
山田はこのように説明した。
「ここ(ミラノ・コルティナ五輪)に来る前のドイツで、マスターズの大会に出るために来ていた日本の方から、奈緒さんのメッセージをもらっていたんです」
小平さんからのメッセージ
それは1月下旬にドイツのインツェルで行われたワールドカップでの出来事。同じ時期に開催されるスピードスケートのマスターズの大会に出るために来ていた日本人のアマチュアスケーターが、「小平さんから託された」という“メッセージ”を山田に伝えた。その人はドイツへ行く前に小平さんが昨夏から長野県松本市で開いているカフェに行き、山田への応援メッセージをもらおうとしたそうだ。ところが……。
山田はクスッと笑うように、こう言った。

